アポなし!新業態チェック(210)「HONOLULU COFFEE HARAJUKU」

2025.02.03 552号 11面

 ●「ホノルルコーヒー」再上陸の1号店 再開発で活性化する原宿の裏通り コンパクトでモダンな店づくり

 日本に再上陸を果たしたハワイのコーヒーブランド「ホノルルコーヒー」の1号店「HONOLULU COFFEE HARAJUKU」が昨年12月、東京・原宿に出店した。

 同ブランドは、2012年から22年までフジオフードグループ本社(スタート時はフジオフードシステム)が日本国内で運営していたが撤退している。昨年1月、別企業が新しく運営会社ホノルルコーヒージャパンを設立し、日本国内のマスターフランチャイズ契約を獲得。期間限定店の出店などを含め、1年近い準備期間の後に新たな1号店をオープンさせたのだ。

 ブランドの売り物は、ハワイ原産のコナコーヒーを使用したコーヒーメニューにある。ドリンクメニューは、「エスプレッソ」(550円)、「カプチーノ」(680円)、「ドリップコーヒー」(650円)といったコーヒーの定番から、「アサイー」(950円)などのスムージーやフロスト、ティーなど。先行して、ECサイトによるコーヒー豆などの販売も行っている。

 フードメニューには、「マカダミアナッツクリームパンケーキ」(1300円)などのパンケーキと、4種類のバリエーションがある「アサイーボウル」(1500~2200円)。また、駒場東大前にある有名店「ル・ルソール」とコラボしたベーカリーメニューとして、「ツナマヨホットサンド」(1000円)など2種類のサンドイッチや、「クロワッサン」(500円)、「クロックムッシュ」(1000円)なども用意されている。

 (価格は税込み)

 ★けんじの評価:コナコーヒーのブランド活用がカギか

 同店は、原宿・竹下通りの表参道側の裏道である「ブラームスの小径」と名付けられた細い通路の端に位置している。新しく建てられた低層の商業ビル1階にあり、気鋭のデザイン会社が内装を手掛けたモダンな店舗だ。この場所は、以前は行き止まりで竹下通り側からしか入ることができなかったのだが、原宿駅の再開発により駅前の商業ビルの中を抜けて「ブラームスの小径」の入口まで降りる坂道が作られ、一帯の回遊性が大きく向上した。

 今回、同店を訪れるついでに、久しぶりに「ブラームスの小径」を抜けて明治通りまで歩いてみた。「フォンテーヌ通り」「モーツァルト通り」と裏通りが続くが、いずれも今後の再開発を待つ雰囲気が感じられる。東京オリンピックを機に、かつての古き良き原宿エリアも大きく変化しようとしているようだ。

 「ホノルルコーヒー」は1992年にハワイで創業した。抜群の知名度があるコナコーヒーを冠したブランドということで、コーヒー豆の小売販売には大きなアドバンテージがある。オンラインではコーヒー豆のサブスク(定期購入)なども行っているようだが、こうした分野が今後の展開のポイントになりそうだ。

 オープンからまだあまり時間が経っていないとはいえ、臨店時に、従業員など関係者が販売カウンターの内と外で向かい合って会話を交わしながら飲み物を試飲しているシーンを見かけた。セルフサービスの店舗では、販売カウンターは顧客との接点。多くの人の目が集まる場所でもあり、要注意だろう。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「HONOLULU COFFEE HARAJUKU」

 開業=2024年12月5日/所在地=東京都渋谷区神宮前1-14-4 1/1 HARAJUKU“K” 1階

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