セブンイレブン、「セブンカフェ」全国展開 店内FF加え存在感
セブン-イレブン・ジャパンは店内FF(ファストフード)コーヒー「セブンカフェ」の全国展開へ本格的に乗り出す。8月末までに全国約1万5000店に導入する計画で、1日1店当たり60杯、全店で年間約3億3000万杯を目指す。北海道など先行地域では女性が増えて客数が伸びた他、力を入れるスイーツなどと併売効果が高いなど成果が出ているという。コーヒー豆にはアラビカ種を100%使用し、1杯ごとにペーパードリップで提供できる専用のコーヒーマシンを開発、高い品質のコーヒーを1杯100円で提供するのが強みだ。
1杯100円の設定について井阪隆一社長は、「ワンコインの買いやすさで他の商品といっしょに購入してもらい、消費場面を広げていきたい」と、記者発表の席上で意気込みを示した。実際、先行地域ではセブンカフェの購入客の約2割がスイーツや調理パンを一緒に購入しているという。他のCVSチェーンや外食のファストフード店は、競合相手として意識していないという。
商品のサイズと価格は、レギュラーサイズ(150ml)でホット、アイスとも100円、ラージがホット235mlで150円、アイスが270mlで180円。
セブン-イレブン・ジャパンは、年商330億~350億円と見込む店内FFコーヒー、セブンカフェを加えることで市場での存在感を強める。FFコーヒーと競合が少ないといわれる缶コーヒーが年商706億円(10年度)だっただけに、新しい店内FFコーヒーの年商を加えれば、年商1000億円を超える可能性が高い。新店の売上げ増とセブンカフェの全国展開でそれ以上の規模になれば、缶コーヒーとFFコーヒーの約2兆5000億円の市場でシェア4~5%には達する。
同社によれば、国内の缶コーヒー市場を1兆1500億円、FFコーヒーが1兆3250億円で、計2兆4750億円と見る。同年度のセブンイレブンの缶コーヒーの年商は706億円で市場シェア6.1%だが、FFコーヒーは19億円でシェア0.1%しかない。セブンカフェの全国展開で年商350億円になれば、FFコーヒー市場でも2.6%にシェアは一気に上がる。