アポなし!新業態チェック(211)「BEL BUTTER WAFFLE」ウィング新橋店

2025.03.03 553号 11面

 ●「ビアードパパ」がワッフル新業態 ベルギー国内に滞在し商品開発 独自の製法、店頭で焼き上げ販売

 シュークリーム専門店の「ビアードパパ」などを展開するDAY TO LIFEは昨年12月、ワッフル専門店の新業態「BEL BUTTER WAFFLE(ベルバターワッフル)」の1号店を東京・新橋に出店した。

 店舗はJR新橋駅に隣接する地下商業施設の中にあり、既存の「ビアードパパ」店舗と隣り合った区画だ。

 同店が販売するのは、ベルギーワッフルの中でもリエージュワッフルと呼ばれる、ほぼ円形に近いタイプのもの。四角いブリュッセルワッフルよりも生地の味付けが濃厚で、手持ちで食べるスイーツに適している。納得できる商品を作り上げるため、同社ではベルギー国内に滞在して商品開発を行ったという。試行錯誤の結果、一部の食材やワッフル型などは現地のものを採用し、伝統的な製法を踏まえて独自の配合や調理法を工夫し商品化した。

 オープン時の商品としては、バターの風味を生かした「プレミアムバターワッフル」(250円)や、全体をチョコレートでコーティングした「チョコカバードワッフル」(290円)のほか、「チョコチップ」「メープルシュガー」「キャラメル」「ローストアーモンド」(各280円)、「ダブルチョコレート」(320円)という7種類のワッフルが用意された。すでにこれ以外の商品もいくつか発表されており、店舗では期間限定のワッフルも発売となっている。

 1号店は行列ができるほどの人気で、1月には東京・秋葉原に2号店を出店。同社の新たな基幹ブランドとなるかもしれない。

 (価格は税込み)

 ★けんじの評価:行列のできる人気、次の主力となるか

 DAY TO LIFEは1997年、麦の穂として創業。99年に「ビアードパパ」の1号店をオープンし、翌年にはフランチャイズ1号店を出店。2001年以降は海外での展開も次々と進め、現在は国内250店舗、海外200店舗以上を出店しているという。13年から永谷園ホールディングスの傘下に入り、23年に現在の社名となった。

 「ベルバターワッフル」は「ビアードパパ」と同様、店舗で商品を作り上げて販売している。そもそも、外食とは「家庭外食」を略したもので、対義語は内食(家庭内食)だが、これらに対して、店舗で作る調理品を購入し、家庭などで食べるという分野を中食と呼ぶようになった。公式な統計でも、そのように分類されている。

 かつては、中食の主流は惣菜や弁当などの分野だったが、現在はさまざまな外食企業がイートインとテイクアウトの両方に対応できるようなブランド展開を行っている。同社のようにスイーツを調理して販売するスタイルも増えた。現在、デパ地下や駅ナカなどを含めた商業施設で、スイーツ系テナントの人気が高いのはご存じの通りだ。また商業施設では、店舗で調理するかどうかに関わらず、イートインではなく食品を販売する専門店系のテナントはひとまとめにして「食物販」と呼ばれている。

 つまり、すでに外食と中食の境界は限りなく曖昧になっている。もはや相反する分野ではなく、同じ消費者(のニーズ)を最大限にシェアする同一の市場になったともいえるだろう。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「BEL BUTTER WAFFLE」ウィング新橋店

 開業=2024年12月19日/所在地=東京都港区新橋2丁目東口地下街1号 ウィング新橋地下1階

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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