メニュートレンド:季節感たっぷりの和パフェが人気 和カフェ「季の音」
女性に人気の、和のスイーツ。有名茶店の抹茶を使ったパフェなどは、今や全国区の人気である。その「和」の本場である京都で、人気上昇中なのが、和カフェ「季の音」。季節感とキュートさをプラスしたメニューで、今までの和スイーツにあきたらない、女性のハートをつかんでいる。
京都・四条河原町にある同店は、ほとんどが女性客という和カフェ。平日は、近隣のOL層や中高年のミセスグループ、週末には、観光客も含めて250~300人が来店する。リピーターも多く、客数は順調にアップしているという。
近年、付近には、シアトル系に代表されるおしゃれで手軽なカフェが増加。しかし、「落ち着いた喫茶店」へのニーズも存在している。そこで、同店が目指したのが、従来の甘党喫茶ではなく、うまいコーヒーも提供できる和カフェ。「居心地のよい雰囲気で、こだわりのスイーツと、本物のお茶やコーヒーを提供したい」というのが、コンセプトである。
メニューは、和カフェの定番、抹茶を使用したメニューや甘味だけではなく、幅広い素材を取り入れた多彩な味を用意。和パフェやケーキなどのグランドメニューのほか、季節に合わせた限定メニューが、次々と登場するのも魅力である。
春は、桜づくしのパフェやケーキを用意。なかでも人気なのが、いろいろなおいしさが楽しめる、「華(はな)」1200円。桜のミニパフェと、桜のシフォンケーキ、桜のレアチーズケーキの、欲張りなセットだ。
パフェには、桜の葉を刻み込んだ桜アイスや、桜シロップをかけた寒天などを取り入れて、ピンクの彩りも女心をくすぐるよう。小倉あんや白玉団子なども入った和パフェのスタイルだが、甘さが控えめなのも好評である。また、シフォンケーキには、桜の葉が刻み込まれており、ほんのりとした塩味が新鮮なおいしさを感じさせてくれる。
今後の季節メニューでは、夏にはかき氷、秋から冬はクリのメニューを予定。さらに、正月や七夕、クリスマスには、短期の限定メニューも登場する。この季節感のあるメニュー展開が、同店の大きな魅力である。
同店では、自家製ケーキも人気で、売り切れることもしばしばとか。なかでもユニークなのが、「京野菜シフォンケーキ」630円。水菜・壬生菜・ニンジン(冬は金時人参)といった京野菜がたっぷり入り、苦みがなくほんのりした甘さが特徴だ。
「シフォンケーキは、素材の工夫で季節感が出しやすく、コスト的にもセットにしやすいのがメリット」と、同店。メニュー開発のアイデアは、店長をはじめ、全員が女性というスタッフから。なるほど、味はもちろん、盛り付けにも、女性が喜ぶかわいらしさが感じられる。今後も、感性を生かしたメニュー展開が期待できそうである。
◆店舗概要
「季の音」/店舗所在地=京都市中京区河原町通四条上ル米屋町384 くらもとビル4階 電話075・213・2288/開業=2005年12月/営業時間=午前11時半~午後8時、火曜定休(祝日除く)/坪数・席数=約31坪・55席/スタッフ=3~6人/客単価=約950円
●愛用食材:「丸久小山園 珠の白、喜雲」、「黒川本家 吉野本葛」
「作法にこだわらず、カフェで気軽にお茶を楽しんでほしい」という同店。質のよい、本物の味を提供することを第一に、仕入先もこだわっている。抹茶には、宇治の老舗、丸久小山園の「珠の白」「喜雲」を使用。同店で抹茶を初体験して、そのおいしさに開眼する人も多いとか。また、葛湯などには、黒川本家の吉野本葛を使用。伝統的な精製法で作られる高品質の葛が、上品なおいしさを演出する。
丸久小山園(京都府宇治市小倉町寺内86 電話0774・20・0909)
黒川本家(奈良県宇陀市大宇陀区上新1921 電話0745・83・0025)
●人気ランキング
(1)「抹茶パフェ」(890円) アイス・白玉・ゼリー・シフォンケーキの抹茶メニューをメーンに、計15種類の味が楽しめる
(2)「季節メニュー・華」(1,200円)、「桜日和」(1,050円) 桜日和は、桜アイスや桜のシフォンケーキをトッピングした、桜づくしのパフェ。華は、そのミニパフェとケーキのセット
(3)「ほうじ茶パフェ」(990円)/ほうじ茶ゼリーやほうじ茶アイス、抹茶アイスなどの、お茶づくしのパフェ。わらびもち入り
(4)「京野菜シフォンケーキ」(630円) 自家製ケーキの一番人気。きめ細かくフワフワの生地に、野菜がマッチした、体に優しいケーキ
(5)「豆腐のレアチーズケーキ」(520円)/ ミキサーで砕いた豆腐をたっぷり使用して、あっさり味のケーキに。自家製のブルーベリーソース添え