シェフの愛用食材:みちば和食「たて野」舘野雄二朗料理長 三豊「練りうに」

2009.10.05 363号 03面

 道場六三郎の技を受け継ぐ和食界の新星「みちば和食 たて野」料理長の舘野雄二朗氏が「練りうに」を使用しはじめたのは、赤坂「ポワソン六三郎」で料理長をしていたころにさかのぼる。

 「とろけた生ウニをもったいないからともらってきて、何かできないかなと練りウニにしてみたのが最初。これだけ味が濃いのだから、塩辛にでも入れてみようと」

 イカの塩辛に入れてみると、香りもコクも大きく変化。これまで熟成に2週間からかかっていたが、身がとろけて細っていた。そこで練りウニを少々混ぜて漬け込むとわずか2~3日でおいしく仕上がり、身も新鮮なまま食べられるように。

 塩辛のほかに味噌漬けやすり身に少量混ぜたり、炒め物の醤(ジャン)代わりにと料理のコク出しに幅広く活躍している。

 現在は築地「長谷川幸造商店」が扱う「三豊」のものを使用。

 「これは余計な味付けをしていないので、自分なりの調味がしやすい。ほかのは味付けされてにおいも強く使いづらい」と言う。お客は舘野氏の味を期待して来る。塩辛1つでも「この味、普通と違うね」となって会話も弾む。そんなプラスの何かを出したいと思う舘野氏にとって練りウニは、欠かすことのできないうまみの素となっている。

 ◆みちば和食「たて野」舘野雄二朗料理長(たての・ゆうじろう)

 1964年栃木県生まれ。「銀座ろくさん亭」で道場六三郎氏に師事。1997年赤坂「ポワソン六三郎」を経て、2008年に店名を「みちば和食 たて野」と改め銀座に移転。

 ◆みちば和食 たて野

 所在地=東京都中央区銀座7-6-10 アソルティ銀座花椿通りビル6F/営業時間=午前11時半~午後1時半(LO)、5時~9時半(LO)

 ○「練りうに」

 決め手はこし上げの仕方。他商品のようにペースト状にしてしまうと、ウニ本来の風味を損なってしまう。そこで本商品はチョッパーを使って粗くこしている。味付けは、余計な調味料を使わず昆布エキス主体でウニの風味を生かしている。料理人ならではの味付けが可能なうえ、のばし具合の調整もしやすい。

 ▽規格=1kg袋

 ▼お問い合わせ(株)三豊 電話03-3399-3170

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