メニュートレンド:名物!ホソ一本勝負 「京都ホルモン 梅しん」
関西では、焼き肉といえば、まず、大阪・鶴橋を連想する人が多いはず。しかし、意外にホルモン焼き店が集中しているのが京都である。老舗からチェーン店まで、幅広い店舗が競合するなか、繁華街のど真ん中に登場したのが、「京都ホルモン 梅しん」。昨年のオープン以来、おしゃれにホルモンを楽しめる店として、女性からの人気も急上昇中である。
「京都ホルモン 梅しん」があるのは、修学旅行生や観光客が行き交う寺町通り。立地や雰囲気から、「高級店では」と思われがちだが、価格は手ごろ。観光地料金ではなく、安心して利用できるところが大きな魅力だ。
コラーゲンを多く含んだホルモンは、女性には関心が高い食材だが、これまでのイメージでは敬遠されがちなもの。梅しんは、無煙ロースターを導入しているため、においも気にならない。「奇麗な店で、気軽に楽しみたい」という、女性のニーズに合致したことで、カップルでの利用率もアップしているという。
ホルモンは、新鮮な和牛の部位を厳選。食通も納得の珍しい部位からスタンダードな部位まで、約30種類を提供している。なかでも人気なのが、1日約30食は売れるという、「名物!ホソ一本勝負」(980円)である。牛の小腸であるホソは、一般的には切り分けて出されるもの。それを、あえて長いままで出すという、インパクト大のメニューだ。
壺の中から登場する長いホソを、そのまま鉄板へ。好みのサイズに切り分けて食すれば、プリプリの食感と脂の甘みが口中に広がる。焼く楽しさとうまみたっぷりの、売り切れることも多いヒット作である。
そのほか、希少な特上サガリを味わえる、「特選サガリのステーキ」(1800円)も人気。「180gのボリュームでこの価格は、コストパフォーマンス的にも自信あり」という一品だ。また、一般的な焼き肉メニューも充実。赤身肉は、A4クラス以上の宮崎産黒毛和牛を半頭買いで仕入れ、「バラ」(850円~)と、こちらも手ごろに提供している。
つけだれは、「秘伝のタレ」「レモン果汁」「特製ポン酢」をセットで用意し、好みに合わせて楽しめるスタイル。「秘伝のタレ」とは、梅しんの歴史が培った味。この店の発祥地は大阪で、1978年の創業以来、オーナーの梅谷達男さんのお母さんが守り続けてきたものという。甘めでコクがあり、ホルモンにも赤身肉にもマッチする自慢の味である。
利用客は、観光客から京都人まで幅広いが、「ポイントになるのは、リピーターになる地元客を増やすこと。足元を盤石にしたうえで、今後の展開も考えたい」。ランチ営業や昼焼き肉(日曜・祝日限定)など、ニーズに合わせたサービスにも積極的に取り組んでいる。
◆「京都ホルモン 梅しん」/店舗所在地=京都市中京区寺町通四条上ル中之町543-2、電話075・277・8600/開業=2008年3月/営業時間=月~土午前11時半~午後2時、5時~翌午前1時、日祝正午~午後11時。水定休/席数=1階・カウンター10席、2階・46席/1日来店客数=約150人/客単価=約2500円/スタッフ=3~7人/平均月商=約1000万円
●愛用資材・食材:「秘伝のタレ」 家庭でも重宝の万能の味
梅しんの味を支えるのが、伝統の「秘伝のタレ」。20種類以上もの素材を使用して開発されたもので、内容は一切秘密である。利用客からの「分けてほしい」という声が多かったため、一般向けの販売を開始した。焼き肉だけではなく、肉じゃがの味付けや、野菜サラダのドレッシングなどにも使える万能のたれとして、家庭でも重宝する味である。梅しん店頭だけで販売。
▽2200円/1.8リットル