外食史に残したいロングセラー探訪(38)牛角「ピートロ」

2010.03.01 369号 10面
メニュー導入から約10年。あまりなじみのなかった「ピートロ」=豚トロのおいしさを世間に広めた

メニュー導入から約10年。あまりなじみのなかった「ピートロ」=豚トロのおいしさを世間に広めた

現在は国内671店舗のほかにも、アメリカ、台湾、シンガポール、インドネシアなど海外でも展開している

現在は国内671店舗のほかにも、アメリカ、台湾、シンガポール、インドネシアなど海外でも展開している

 「おいしくて・雰囲気がよくて・サービスがよくて・安い」をコンセプトに、幅広い層から支持を得ている牛角。多くの独創的メニューの中でも、常に人気の上位にランクインされているのが「ピートロ」である。テレビ番組の企画でも「本場韓国人が選ぶ牛角メニューランキング/おいしいメニュー第1位」となるなど、さらに人気が高まりそうなメニューだ。

 「『ピートロ』は、大手焼き肉チェーンでは初めて牛角が販売した、牛角発祥のメニューです」と、(株)レインズインターナショナル/広報企画部の川合康幸氏。

 ピートロとは、豚の首の周り(肩から首)の肉で、これをメニューに導入したのが1999年のこと。

 当時はまだ一般的にはほとんど知られていなかった部位だが、サクサクとした食感と脂の甘みが楽しめると、発売以来、大人気メニューとしてロングセラーを続けている。

 常に「牛角でしか体験出来ない価値」の提供をメニュー開発において重視しているという同社。例えば焼き肉の定番メニューであってもさらに工夫を加えて独創的なメニューを生み出し、お客に「牛角らしさ」を感じてもらえることを大切にしているという。

 そうしたメニュー開発の中から生まれたピートロも、豚肉というイメージからは異なる食感と脂のうまみで、お客に驚きやインパクトを与えることができたメニューであるという。

 「ピートロという名称のほかに、豚トロとしても知られていますが、牛角ではトロのような姿をしている豚肉(Pig)=『トロピー』を、さらに、“ひっくり返るほどのうまさ”なので『ピートロ』」と名付けました」(川合氏)

 メニュー導入当初は、まだあまり流通していなかった部位であったため、質の高い部位を低価格で提供すること、そして安定供給できる量を確保することに力を入れたという。

 肉のカットに関しても、部位が持つサクサクとした食感を感じられるような厚みや大きさにもこだわる。

 「ピートロ」には「タレ」「塩ダレ」「味噌ダレ」の3種がある。「タレ」にはごま油を多めに使用し、ごまのほのかな香りが感じられる点が特徴。また、大手焼き肉チェーンでは牛角が初めて1997年に開発・導入した「塩ダレ」もピートロに用い、肉本来のうまさを味わえるような、適度な塩加減にこだわっているという。「味噌ダレ」は、日本人に適した甘めの味に仕上げている。

 現在は、基本の「ピートロ」のほかに、「ピートロ梅ダレ」(599円)や「ピートロ山わさび醤油」(599円)といったメニューも。今後も、さらに「ピートロ」をおいしく食べてもらえるための工夫を続けていく予定という。

 ●店舗データ

 「牛角」/経営=(株)レインズインターナショナル/本社所在地=東京都港区六本木1-8-7 アーク八木ヒルズ/店舗数=「牛角」671店舗(2009年12月末現在)

 ◆「ピートロ」(494円) (1日平均食数約5,000~7,000食分(全店舗合計/単品オーダーだけ)

 牛角では独自のメニューだけではなく、『牛角ならではの食べ方』を提案していきたいと考え、各メニューのプラスαとして5種類のトッピングを用意している。

 ネギミジン:タン塩やカルビが基本だが、どの肉にもよく合うトッピング。

 温泉玉子:「カルビ専用ごはん」にのせて、焼いた牛角カルビ、マヨネーズをのせた“G.K.D(牛角丼)”といった食べ方も。

 ガーリックバター:メニュー導入もされているが、カルビなどの肉に合う。

 生玉子:「月見カルビ」として以前メニュー導入されていたが、味噌ダレのカルビなどとの相性がよい。マヨネーズ牛角丼のほか、サンチュで肉やご飯を巻くときのアクセントに。

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