アポなし!新業態チェック(39)「カフェ・ドゥ・エソラ」池袋店

2010.03.01 369号 14面

 ドトール・日レスホールディングスは、昨年グランドオープンした池袋の商業施設「Esola(エソラ)池袋」4階にカフェ&ダイニング業態の「cafe de Esola(カフェ・ドゥ・エソラ)」池袋店を出店した。

 この店は、同社の前身である2社、ドトールコーヒーが蓄積してきたカフェ機能と、日本レストランシステムの持つフードメニュー提供のノウハウを1店舗に集約した店舗であり、傘下のD&Nカフェレストランが経営する。

 メニューは、「コーヒー」(350円~)、「紅茶」(400円~)のほか、ビールなどのアルコール類も取り揃えた飲料メニューと、「パスタ」(780円~)を中心に、「オムライス」(880円~)や「ドリア」(830円~)といった食事メニュー、前菜やサラダ、デザートなどのサイドメニューまで幅広いラインアップ。また、主要ターゲットである女性を意識して、「女性の美と健康をサポートする成分」として注目されている「プラセンタエキス」(400円)もメニューにのせる。「プラセンタエキス」は無味無臭であり、好みのドリンクと同時に注文し、混ぜて飲むという機能性食品だ。

 細長い店内は2方向に大きな窓があり、窓の外には開放感のあるテラス席も20席用意される。

 カフェ・ドゥ・エソラは「エソラ池袋」のグランドオープンに合わせた11月27日に開業。ドトール・日レスHDは、同日、「エソラ池袋」と同じ東京メトロが運営する商業施設「エチカ池袋」にも、カフェバール業態の「Patio de METRO(パティオ・ドゥ・メトロ)」を同時オープンさせており、池袋に新たな魅力を付け加えている。

 ★けんじの評価

 一昨年に経営統合したドトール・日レスHDが、いよいよ同社の持ち味を生かした店舗の出店に乗り出した。朝の人気ワイドショーでも取り上げられ、話題の商業施設「エソラ池袋」に開業した店は、ビルの4階にありながら専有のテラス席を持つというオシャレな店舗。さすがに今の時期、晴天とはいえ寒空の下で食事をするのはつらいが、それでも店内から大きなガラススクリーン越しにテラス席の向こうの高層ビル群を眺めていると、ふと、自分は今ニューヨークにいるのでは? などと錯覚しそうになるくらい雰囲気は十分。臨店したのは午後3時という時間だったが、夜景はさらに素晴らしいのかも知れない。

 しかし、そうした眺望の印象に比べて、メニューは十分にオーソドックスだ。決して雰囲気に流されず、しっかりと堅実な運営を行うところが、長年さまざまなシーンで店舗運営のノウハウを積み重ねてきた同社の強みだろう。残念ながら、筆者が注文したパスタが出てくるまでに10分以上かかってしまったのは、まだオープンして日が浅いせいか。そういえば、時間帯のせいもあるだろうが、多くの来店客はカフェ利用であり、黙々と食事をする筆者は少しばかり浮いていた。

 同時期に、同じ東京メトロのエチカ池袋に出店した「パティオ・ドゥ・メトロ」もまた、床一面に小さなタイルを敷き詰め、ちょっとビクトリアン風のデザインを意識したユニークなスタイルのカフェ。いずれにせよ両店とも、来店客の圧倒的多数は女性であり、やぼなオヤジの立ち入るすきはないのだった。

 (外食ジャーナリスト 鷲見けんじ)

 ●店舗概要

 店名=「カフェ・ドゥ・エソラ」池袋店/開業=2009年11月27日/所在地=東京都豊島区西池袋1-12-1 エソラ池袋4F/席数=店内49席(禁煙)、テラス20席(喫煙可)

 ◆鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。

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