北辰商事、低価格NBが堅調 内食化で来店増える
北辰商事は、09年12月、10年1月とも非食品が前年割れに対し、食品は前年売上げを上回っているという。
「客層は大きく変わらないが、今までは週に何回か外食や他店に行っていたお客が、ロヂャースで買い物をする頻度が上がっている」(太田順康副社長)と分析する。
12月は常温食品1%減に対し、低温食品は3%増と伸びた。低温食品を引っ張ったのはおせち用食品で、仕入れ金額1億円(前年比5%増)を年末前に売り切った。鏡もちも主力を小容量に変更したことで販売額は前年並みだが、販売数量は5%以上伸びた。年末年始の在宅率アップ、小家族化への対応策が奏功したようだ。
同社は、05年の物流センター統合による帳合統一、自動発注システム導入、さらに店舗運営費など販管費削減でEDLP(常時低経費)を徹底、大手小売に対抗できるNB商品のEDLP(常時低価格)を実現した。
定番商品は「一物一価」が原則で、ビール・飲料とも1本買いでもケース購入でも1品単価は変わらないので、顧客は必要な量だけ購入する。PB(自主企画)商品は作っていない。
衣料品を筆頭に非食品の売上げ不振も重なり、食品売上げ構成比は75%に達している。これにより粗利益率は低下したが、販管費削減で一定利益を確保してきた。
「コスト削減は限界に近いところまできている。今後は従業員の教育研修、老朽化した店舗設備の改善への投資を考える必要がある」(同)という。
今年も節約志向、内食化傾向は続くとみている。「無理な安売りはしない」(同)考えだが、非食品はカテゴリー別に絞り込みか深化かを見極め、食品購入客のついで買いを促す品揃えに見直す。