業務用加工食品ヒット賞 中華部門:ケンミン食品「業務用ビーフン」

2010.09.06 377号 09面

 ○サクサク・ビーフンサラダ

 食感と香ばしさを付加し

 ■作り方

 (1)ビーフンは半分に折り、少量ずつ180度Cの油でふわっと浮いてくるまで揚げ、玉ネギはキツネ色に揚げる。

 (2)鶏ささ身はゆでてほぐす。

 (3)レタス、水菜、キュウリ、白ネギ、トマトをそれぞれカットする。

 (4)(1)と(2)、(3)を盛り付け、好みのドレッシングをかける。

 ○アジア屋台風ビーフン・ガーリック風味

 たれと具材を混ぜるだけ

 ■作り方

 (1)サラダ油とガーリックを弱火にかけ、香りが出たら火を止め、カキ油、ナンプラー、白コショウ、コンソメ、コリアンダーを加える。

 (2)ビーフンを5分間ゆで、モヤシを加えて1分間ゆでたら、水で冷やして水気を切る。

 (3)(2)に(1)と具材を混ぜる。

 (4)ピーナツをかけてレモンを添える。

 ○エスニックつけめん

 ビーフンならではの食感

 ■作り方

 (1)油を引き、塩、コショウをした豚肉を入れて火をつけ、白ネギとセロリを加えて炒める。

 (2)トマトジュースとめんつゆ、純米酢を入れ、少し煮てショウガ、牛乳を加え、塩で調味する。

 (3)ビーフンを7~8分間ゆでたら流水でぬめりを取り、水気を切って盛り付け、三ツ葉を飾る。

 ○カリカリスティック春巻き

 乾麺のまま炒めつまみに

 ■作り方

 (1)油でひき肉、酒、キムチを順に炒め、水、醤油、半分に折ったビーフンを乾麺のまま加えて炒める。

 (2)水気が軽く残る程度で火を止めて冷ます。

 (3)半分に切った春巻きの皮に(2)とプロセスチーズをのせ、巻き終わりと両端に水溶き小麦粉を塗って巻く。

 (4)170度Cの油で揚げる。

 ◆業種業態問わずに定番

 ケンミン食品の「業務用ビーフン」誕生は、同社設立の1950年、まさに60年前にさかのぼる。というのは会社設立の目的が、今までなかった本格的でしかも日本人の口に合ったビーフンを提供することにあり、まさにこの目的で開発された、創業当初からの商品なのだ。

 同社はビーフン(米粉)をコメ100%で製造する夢があり、同品もこのコンセプトで開発された商品である。ただ戦後の食糧難から一転、コメ余りとなった69年に外米輸入が禁止され、原料に不適な国産ジャポニカ米を使用せざるを得ない事態に陥った。しかしジャポニカ米で作ると麺線が柔らかく、麺がくっつきやすく品質が悪いことから、やむを得ず原料の一部にでんぷんを使用した時代もあった。

 しかし同社では、日本人の好みに合ったのど越しや強いコシの実現と併せ、創業以来脈々と流れていた「コメ100%」の志の具現化、学校給食で不可欠だった大量調理に向くことなどを目的に、海外に好適米を探し求めた結果、あるタイ在来品種に出合った。これを品種指定し安心・安全、高品質なビーフンを現地で一貫生産しようと87年、海外子会社ケンミンタイを設立した。これを機に、同品は現在のスタイルに生まれ変わった。

 こうした同社の品質と安全・安心を求める姿勢と時代のニーズに合致し、特に学校給食や生協チャネルを皮切りに普及が進んでいった。一方、惣菜産業や外食チェーンの増加など、外食産業の構造変化に対応し絶え間ない技術革新を重ねた結果、加熱調理後経時劣化を考慮した「惣菜用」や簡単・便利な「冷凍調理ビーフン」などさまざまな派生商品を誕生させていった。加えて、客層ごとにターゲットを定めた食べ方やメニュー提案など地道な活動を通じて業務用での普及を促進させた。

 このようにビーフンが業務用市場で普及していく歴史の中で、同品はその礎を築いたと言っても過言ではない。その後も、エスニックブームや世界レベルでの小麦粉価格高騰で、コメに注目が集まるなど、新たな追い風は吹き続けている。

 同時に、世界レベルで増加する小麦アレルギー保持者も安心して食べることができる商品として、食後血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」でありメタボ予防対策商品としても、新たな健康価値を訴求し、さらなる普及の糸口も見いだされている。

 ▽規格=300g×30、1kg×10、10kg×1

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