ヤマサ醤油、最高峰の濃口醤油誕生「重ね仕込しょうゆ本懐石」
プロの料理人を中心に愛用者の多いヤマサ醤油が、研究に10年以上もの歳月を費やして、ヤマサ最高峰の濃口醤油となる「重ね仕込しょうゆ本懐石」を生み出した。これまで両立の難しかった濃厚なうまみ、明るく鮮やかな色、おだやかな香りを同時に実現。独自製法による高品質の商品内容は、素材そのもののおいしさを今まで以上に引き立て、調理での使い勝手のよさも折り紙付き。煮炊き料理や合わせ調味料での活躍も期待でき、日本料理の新たな可能性を広げてくれそうだ。
◆濃厚なうまみ 鮮やかな色 おだやかな香り
「重ね仕込しょうゆ本懐石」は、うまみの目安となる窒素分が一般的な醤油より20%多い濃口醤油。具材を生かすふくよかな香りと美しい赤い色に加え、強い甘みとうまみ、コクみが特徴だ。
従来の丸大豆醤油はおだやかな香りを持つが、濃厚なうまみを生み出すことは難しい。うまみを得るためには再仕込製法(麹を仕込む食塩水の代わりに醤油を用いる製法)が有効だが、色が濃くなってしまう。この相反する課題を解決するため考えだしたのが、合計3種類の糀を使用する“重ね仕込:追い糀製法(特許取得)”。日本で一番おいしい濃口醤油をつくりたいという開発意欲を結実させた最高峰の醤油だ。1.8Lハンディボトル。
8月23日からの全国発売後、既存品より高めの価格設定ながら外食店への導入率は上々という。明るく澄んだ色と芳醇な香りで、本格的な和食店にユーザーの多いヤマサ醤油だが、意外にも超特選醤油はこれまで「さしみしょうゆ」の展開くらい。常用者にとっては待望の商材といえ、技術革新によって味、色、香りを高いレベルで両立した醤油は調理の幅も広げてくれそうだ。
◆新進気鋭の料理人も賛美 「よい仕事」に創作意欲かきたてられる
道場六三郎の技を受け継ぐ日本料理界の新星「みちば和食 たて野」店主の舘野雄二朗氏は「重ね仕込しょうゆ本懐石」の印象を「主張しすぎない強さを感じます。既存の超特選醤油の濃厚さに比べて上品だが、しっかりとした味わい」と評する。
「煮炊きでは、普通の濃口醤油のように煮詰めなくても醤油の味が深く、使い勝手がよいです。刺し身では白身だと濃厚なうまみがもったいないほど。マグロのトロなど脂ののった赤身にもしっかり合います」と言い「重ね仕込しょうゆ本懐石」を「絶妙のバランスをとったよい仕事」と称賛。言わば「たまり醤油と普通の濃口醤油の中間的存在でかゆいところに手が届いた商材」と言う。「味に奥行きや太さを感じるが、色は淡い。ベースがしっかりしているといろいろな調理の工夫ができます。創作意欲がかきたてられる、料理人にとってありがたい商品」だ。
●舘野雄二朗氏プロフィール
たての・ゆうじろう=1964年栃木県生まれ。「銀座ろくさん亭」で道場六三郎氏に師事。1997年赤坂「ポワソン六三郎」店主を経て、2008年に店名を「みちば和食 たて野」と改め銀座に移転。
●店舗情報
「みちば和食 たて野」(東京都中央区銀座7-6-10、アソルティ銀座花椿通りビル6F)営業時間=午前11時半~午後1時半(LO)、5時~9時半(LO)