共同印刷、高いバリア性の高機能パルプモールドカップ開発

2010.12.06 381号 07面

 共同印刷はこのほど、食品向け高機能パルプモールドカップ「パルモールカップ」=写真=を開発した。バージンパルプ素材を水で溶かし、金型を使って一体成形した食品容器で、発泡スチロール並みに断熱効果が高い。多層構造の内面ラミネートにより、ハイバリア性を実現した。電子レンジに対応し、従来の紙製品では実現困難だった形状への成形も可能だ。主に即席麺やカップスープの製造メーカー、弁当・惣菜業界などに環境配慮型の高機能容器として売り込む。

 パルモールカップは、共同印刷、花王、豊田通商の共同開発品。花王から新しいパルプモールドの基本技術供与を受け、容器成形技術の開発を進めていた豊田通商と、共同印刷の食品容器生産技術を融合し、食品向けパルプモールドカップとして量産化に成功した。10月上旬に開催されたアジア最大級の包装展「東京パック2010」で初披露され、脱プラスチックの環境配慮型容器として注目を集めた。

 同容器は金型を交換するだけで、従来品ではできなかった形状への成形が可能だ。弁当容器に代表される角型や丼型、コップ型など形態のバリエーションは豊富だ。カップ本体に凸凹加工(エンボス加工)を施し、模様を入れることもできる。

 多層構造の内面ラミネートで酸素、水蒸気、移り香に対し高い遮断性を発揮する。発泡スチロール並みの断熱効果を誇り、保温性・保冷性に優れる。また、横圧縮強度が高く、利用時の容器変形が起こりにくい。

 一体成形によるシームレス構造のため、耐熱フィルムを組み合わせれば電子レンジ対応容器としても利用できる。顧客の商品開発の可能性を広げるアイテムとして注目される。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: 花王