「オテル・ドゥ・ミクニ」三國清三氏、フランス農事功労章受章
オテル・ドゥ・ミクニの三國清三氏のフランス共和国農事功労章受章を祝う「オテル・ドゥ・ミクニ25周年を祝う会」が東京都新宿区のオテル・ドゥ・ミクニで開催され、フィリップ・フォール駐日フランス大使、発起人の茂木友三郎キッコーマン会長、鈴木与平鈴与社長はじめ各界著名人らが多数出席した。
農事功労章は1883年に創設され、発案者のジャック・メリンヌ農業大臣は「終わりのない仕事、多大なる献身が求められながらも、形として報われない」職業に従事する人々へ与えられるものと位置付けられていた。日本における過去20年間の受章者は約140人に達している。
フォール大使は「ミクニブランドはフランス流の品質とセンスのよさの象徴と称されるだけでなく、全国15ヵ所で営業する店舗のおかげで、国内のどこにいてもテロワール(郷土)の味が楽しめる。食の親善大使として、故郷北海道の食材を使用されることで、より洗練されたスタイリッシュで融合された料理を創作するようになった。独自のスタイルを形成し、それはフランス風でも和風でもなく、日仏混合の独創的な料理となった」とたたえた。
25年前のオープニングに出席したという発起人の茂木友三郎氏は三國氏を「天才であり努力の人」と絶賛し、日本食糧新聞に次のエピソードを語った。
「かつてジュネーブに(スイス日本大使館の料理長として)派遣された時、1週間後にアメリカ大使を招待する際、サーブする料理を任された。三國氏は大使の行きつけのレストランを探すよう部下に指示し、見つけたレストランで大使の好む料理を把握。大使はお好みの料理を1週間堪能し、すっかり満足したとともにびっくりし、このことが三國氏の大変な評価となった」
三國氏は「フランス料理の魂を直接学び、今では日本で指導できるまでになった。私にとってフランスは先生であり、その神髄を変えてはいけないと常に思っている」と、謝辞の中で語った。