メニュートレンド:焼き肉しながらしゃぶしゃぶも!「焼きしゃぶ」 「MA-なべや 大阪店」

2011.01.03 382号 01面
肉のほか、白菜、キャベツ、白ネギ、サツマ芋、ニンジン、キクナ、モヤシなどの豊富な野菜と豆腐が付いており、何を焼いて、何をしゃぶしゃぶにするかは自由

肉のほか、白菜、キャベツ、白ネギ、サツマ芋、ニンジン、キクナ、モヤシなどの豊富な野菜と豆腐が付いており、何を焼いて、何をしゃぶしゃぶにするかは自由

店内は町屋風で全席掘りごたつ式。個室感覚を重視した落ち着いた雰囲気も人気

店内は町屋風で全席掘りごたつ式。個室感覚を重視した落ち着いた雰囲気も人気

 2002年11月より心斎橋で営業を続ける「MA-なべや 大阪店」は、その名のとおり鍋料理の店。すき焼き、しゃぶしゃぶ、ちゃんこをはじめ、多彩な鍋メニューが目白押しだ。そんな中、2つの料理を同時に楽しめると人気を呼んでいるのが「焼きしゃぶ」。「焼き肉」と「しゃぶしゃぶ」を1つ鍋で調理することを可能にした専用鍋に、成功の鍵がある。

 ◆2つの料理を同時に調理 薄切り肉に合う焼き肉のたれを工夫

 同じ「肉を食べに行く」でも、「さっぱり系のしゃぶしゃぶ派」と「ガッツリ系の焼き肉派」で意見が分かれるのはよくある話。宴会のたびに「鍋か、焼き肉か」で頭を悩ます幹事も跡を絶たない。

 そんなときにもってこいなのが、MA-なべやの焼きしゃぶだ。このメニューの最大のポイントは、1つの鍋でしゃぶしゃぶも焼き肉も調理できるようにした点にある。よく「同じ釜の飯を食った仲」などというが、同じ火を囲み、同じ火で調理したものを分け合って食べるのが鍋料理や焼き肉の魅力。それによって親近感や仲間意識が高まるといわれている。

 中央部を丸くくりぬいた鉄板と小ぶりの鍋を合体させる専用鍋の開発で、しゃぶしゃぶ派も焼き肉派も同じ鍋を囲めるようにしたのが焼きしゃぶ。もし、別々のコンロと鍋で調理するスタイルなら、ここまでの支持は得られなかっただろう。

 また店長の大仲広規さんは、「夏場に強いのもこのメニューの長所」だという。冬のものというイメージが強い鍋料理も、焼き肉と組み合わせるとそのイメージが和らぐ。夏場の焼きしゃぶのオーダーは全体の8割に達しており、気温が高い期間の集客アイテムとして欠くことのできない存在になっている。さらに、2つの味を楽しめることで飽きにくく、肉や野菜の追加注文も多いとのことだ。

 味の面では、焼き肉用のたれに工夫を凝らしている。というのも、焼きしゃぶでは焼き肉にもしゃぶしゃぶ用の肉を用いる。そのため厚切りの肉に合わせた通常の焼き肉のたれでは、薄切り肉の繊細なうまみが埋もれてしまうのだ。そこで、醤油をベースにたっぷりの赤ワインと野菜のブイヨン、リンゴの果汁などを配合した、オリジナルのたれを開発。薄切り肉のよさを生かす、フルーティーであっさりとした口あたりと程よいコクを実現している。

 MA-なべや大阪店が目指すのは、「リピーターのお客さまが多い、オールシーズン楽しめる鍋料理店」。今後も従来の枠にとらわれない自由な発想で、鍋料理の可能性を開拓していきたいとのことだ。

 ●店舗情報

 「MA(まぁ)-なべや 大阪店」 経営=(株)ケーズネットワーク/所在地=大阪府大阪市中央区東心斎橋2-8-26 FUKU BLD 心斎橋4階、電話06・6212・4130/開業=2002年11月/営業時間=午後5時~翌午前0時(LO午後11時半)、無休/坪数・席数=約50坪・80席/客単価=3500円前後/1日来店客数=80~120人/目標月商=1000万円/スタッフ=4~10人

 ●愛用資材・食材:「ぺらぺらうどん」

 MA-なべやでは、しゃぶしゃぶの締めとして、だしとからみやすい薄くて幅広の「ぺらぺらうどん」を提供している。乾燥した状態のまま鍋に入れて煮込むこと4~5分、ワンタンの皮のようなツルツルとした食感で、コシの強いうどんが出き上がる。このペラペラうどんが目当てで通ってくるお客もいるという売り商品の1つだ。汁気の少ないすき焼きには通常のゆでうどん、蒸ししゃぶにはラーメンと、締めの麺にもこだわっている。

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