シェフの愛用食材:中央軒・田中信敏社長 ヒガシマル醤油「ヒガシマル醤油うすくち」

2011.04.04 385号 14面

 ●長崎ちゃんぽんのスープのポイント 白湯の色を損なわず味を引き立て香り付ける

 関西での長崎ちゃんぽんの草分けといえば、1955年創業の「中央軒」。現在、大阪で直営20店舗を展開する、有名店である。創業者は、初代社長の田中庄八氏。娘婿の信敏氏は、現社長として、同店の味を守り発展させる調理人でもある。

 中央軒の看板メニューは、庄八氏の郷土の味、「長崎ちゃんぽん」。昔の大阪では、ちゃんぽんといえば、あんかけタイプが主流だったとか。それを、より長崎の味に近づけようと開発したのが、現在の白湯スープで煮込むスタイルである。

 「ウチのちゃんぽんの特徴は、コクはあるがしつこくない味。塩味を引き立て、スープの色合いも損なわない食材として、薄口醤油をポイントに使用しています」と、信敏氏。スープのベースには、砕いた豚骨と鶏がらを使用し、香りと深みを出すために、「ヒガシマル醤油うすくち」を少量加えているという。ちゃんぽんだけではなく、皿うどんなどの他のメニューにも利用されている、創業当時からの愛用食材だ。

 同店の長崎ちゃんぽんは840円。「大衆中華としては高めの価格だが、それに見合う味を提供するのが使命」と、信敏氏。各店の味の安定はもちろん、メニューにより麺の製造を変え、スープも使い分けるなど、きめ細かな工程が味の伝承につながっている。また、季節の食材を取り入れたメニューを考案するなど、新しい味へも積極的に取り組んでいるという。

 ●食材紹介:ヒガシマル醤油(兵庫県たつの市)「ヒガシマル醤油うすくち」

 素材を生かす薄口醤油のスタンダード

 おだやかで軽快な芳香を持ち、十分に熟成を重ねた、薄口醤油のスタンダード。素材本来の色、香りを大切にしたい料理全般に幅広く使用できる。化学調味料、保存料、着色料、甘味料は使用していない。

 規格=1.8リットル、ハンディボトル

 ※ヒガシマル醤油HPの商品紹介から引用。

 ●プロフィール

 (株)中央軒 取締役社長 田中信敏氏

 たなか・のぶとし 1951年長野県生まれ。1975年辻調理師専門学校入学。中央軒北新地店でのアルバイトを経て、1977年に同社入社。1980年なんばCITY店の開店時に店長として就任。以後、各新店舗の店長として指導・運営に携わる。2007年同社取締役社長に就任。

 ●店舗情報

 「中央軒本店」 所在地=大阪市中央区難波4-2-11

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