メニュートレンド:おかずドーナツ 次にはやるドーナツは「塩味」!? 「プティポワン」

2011.11.07 392号 01面
「おかずドーナツ」4種(全品200円)。手前はカレー、奥は上からイタリアントマト、スパイシーベーコン、酒かすチーズ。油で揚げていない上に甘味を抑えているので、低カロリーでヘルシーな点も人気の理由だ

「おかずドーナツ」4種(全品200円)。手前はカレー、奥は上からイタリアントマト、スパイシーベーコン、酒かすチーズ。油で揚げていない上に甘味を抑えているので、低カロリーでヘルシーな点も人気の理由だ

「もしフランスにドーナツ店があったら・・・」というコンセプトでデザインされた小粋でかわいい店内

「もしフランスにドーナツ店があったら・・・」というコンセプトでデザインされた小粋でかわいい店内

 「揚げる」が定番だったドーナツに「焼く」「蒸す」「生」などが登場。アメリカの専門チェーン店が本格上陸してから40年、日本のドーナツ業界は空前ともいえるブームを迎えている。そのドーナツにまたまた新顔が登場。“ドーナツ=甘い”という常識をくつがえす「おかずドーナツ」だ。開発したのは、今年6月、大阪・南堀江にオープンした焼きドーナツ専門店「プティポワン(Petit point)」。ワインやビールのつまみにも「いける!」と、ドーナツフリークはもとより、甘いものが苦手な層からも支持を集めている。

 ◆ワインやビールにも合う新発想 ケークサレの流れを汲む本格派

 プティポワンは、行列のできるカフェやドーナツ店のレシピ開発で実績をもつ料理研究家の荒井桂子さんが、「自分のこだわりを貫いた本当においしい焼きドーナツを広めたい」とオープン。店頭には季節限定品を含め、「ふんわり感」と「しっとり感」にこだわった15種前後の焼きドーナツが並ぶ。その中でもひときわ注目を集めているのが、おかずドーナツと名付けられた「イタリアントマト」「スパイシーベーコン」「カレー」「酒かすチーズ」の4種だ。

 おかずドーナツは、ここ数年脚光を浴びているケークサレ(塩ケーキ)からヒントを得、1年がかりで開発した塩味ベースの“甘くないドーナツ”。甘いドーナツ以上に難しかったのが「しっとり感」で、塩味を引き立てるために少量加える甘味に砂糖ではなく水あめとはちみつを使うなど、小さな工夫の積み重ねで焼きドーナツにありがちなパサツキ感を克服している。また、薄力粉だけでなく強力粉やタピオカ粉をブレンドした弾力ある歯応えも特徴。軽さを重視した甘いドーナツと、食感の違いを楽しむのもおもしろい。

 具材についても、たとえばイタリアントマトのトマト味を出すのに、ケチャップ、トマトペースト、トマトパウダーを駆使。アクセントに加えるミックスハーブの量ひとつを決めるのにも0.1g単位の調整を何十回と繰り返し、納得できる味にたどりついたという。カリカリに炒めたベーコンと粗びきコショウが入ったスパイシーベーコン、オリジナルブレンドのルーを使ったカレー、9月から販売を開始した酒かすチーズについても同様。くる日もくる日も試行錯誤と吟味を繰り返した粘りと苦労は、おいそれとはまねのできない上品で深みのある味わいとして実を結んでいる。

 一切広告をしていないにもかかわらず、おかずドーナツのおいしさは口コミで広がり、朝食やつまみとして買い求める人が徐々に増加。1日150個前後の売上げ個数のうち、4分の1~3分の1を占めるに至っている。「ドーナツの新しいおいしさをもっと知ってもらいたい」と通信販売もスタート。今後はフランチャイズ展開も視野に入れているとのことだ。

 ●店舗情報

 「プティポワン(Petit point)」 所在地=大阪府大阪市西区南堀江4-10-5 石村マンション1F/開業=2011年6月/営業時間=午前10時半~午後6時(ドーナツ完売次第閉店)、日定休/坪数=約18坪(テークアウト専門)

 ●愛用資材・食材

 「カルピスバター業務用」 カルピス(東京都渋谷区)

 プティポワンではドーナツの生地に使用する油脂として、風味豊かな「カルピスバター」を選択。これは、乳酸菌飲料の「カルピス」の製造工程で牛乳から乳脂肪を分離する際にできる脂肪分から作られるもので、その希少性から“幻のバター”とも呼ばれている。また、おかずドーナツの味付けのベースとなる塩には、ミネラルの豊富さとマイルドな口当たりで知られる「ゲランドの塩」(フランス産天然塩)を使用。

 規格=450g

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