お客に言えない業務用調味料マル秘ブレンドテクニック:ウスターソース
ウスターソースはフライ料理、特にパン粉衣のフライのかけソースとしての利用が圧倒的に多い。他にはソース焼きそばなど、ごく一部の料理に限定的に使われているのが実状だが、スパイシーな風味や軽い酸味、意外に薄めの塩味などの条件を考えると、調味用ソースにもいろいろと応用できるはず。他の業務用調味料とブレンドすれば手軽に新しい味わいが生み出せる。醤油系の和風調味料などとも違和感なくなじむため個性的味づくりにも便利。
◆この調味料とまぜてみよう!
●煮切りみりん
かけソースの自店流アレンジとして、簡単で幅広い層にマッチするのが、煮切りみりんとのブレンド。2分の1量程度の量まで煮切り、それにウスターソースを3倍量加える。定番のフライ料理や炒め物にピッタリの味わいだ。
●ケチャップマニス
ケチャップマニスはインドネシアとその周辺国でポピュラーな調味料。カラメルで濃く着色され、やや強めの甘味がある。ウスターソースとブレンドすると、肉類や魚介類の臭みをマスキングできる。2対1の割合が好適。
●焼き鳥のたれ
焼き鳥のたれには、一般的に軽いスモーキーフレーバーと、からめるためのとろみがあり、これとウスターソースをまぜると肉料理に絶好のたれとなる。ウスター2に対して焼き鳥のたれ1の割合でよい。特に鶏肉料理に向く。
●ピザソース
バーベキュー、スペアリブなどの、あぶり焼きにピッタリのスパイシーでパンチのあるソースになる。ウスター2に対してピザソース1、または同量でもよい。好みで少量のおろしニンニクや赤ワインなどをまぜると一層おいしい。
◆料理事例
「エスニック風豚焼き丼」
ブレンド比率=ウスターソース1:焼き鳥のたれ1
豚ロース肉のソテーを、ウスターソース1に対して焼き鳥のたれ1の割合でまぜたたれで調味し、丼仕立てに。スパイシーさと、ほんのりと甘い味が白飯とマッチ。卵黄がコクとうま味を倍加する。
●プロフィール
押野見喜八郎(おしのみ・きはちろう) FSプランニング代表。1946年千葉県生まれ。東京ヒルトンホテルを経て外食マーチャンダイザーに転身。多数の外食専門校で活躍するほか、外食企業の商品開発、食品企業の業務用食材開発を手掛けるなど、わが国のメニュー政策指導の第一人者として知られる。「外食新メニュー実用百科」(日本食糧新聞社)など著書多数。