多忙でも読める外食ニュース
●アントワークス ラーメン業態に参入
「伝説のすた丼屋」などを展開するアントワークスが、新業態のラーメン店「伝説の肉そば屋」を東京・千代田区に出店した。昨年から続くコメ不足と、その影響によるコメ価格の高騰を受けて、これまで米飯メニュー中心だった同社が、将来を見据えて開発した“伝説系すたみなラーメン”の新ブランド。昨年から、一部の店舗に限定メニューとして導入していた「すたみな肉そば」が好評であり、来店客の約3割が注文するほどの人気メニューとなったことも契機となった。
解説=新ブランドは、同社の看板メニュー「すた丼」と同様、“肉×にんにく×すたみな”というテーマを踏まえている。しかし、「すた丼」店で提供する「すたみな肉そば」とは異なるスープや麺、具材などを新しく開発したという。
●米国ドーナツブランド「ランディーズ」上陸
米国・ロサンゼルスで1952年に創業し、米国内外に27店舗を展開している「ランディーズドーナツ」が、東京・代官山に日本1号店を出店した。同店は、古くからロサンゼルス本店の屋上にある巨大なドーナツ型の看板で有名。過去には多くの映画などに登場し、そのイメージが世界中に知られている。日本1号店は、東急東横線の跡地に開発された商業施設「ログロード代官山」への出店で、40種類以上のドーナツと15種類以上のドリンクを販売。日本限定商品も用意されている。
解説=日本で店舗を運営するのはグリット・インターナショナル。同社は、米国の本社と日本展開におけるマスターフランチャイズ契約を締結しており、日本国内での2店舗目以降はフランチャイズ店舗による出店を計画している。
●ゼンショーHD、3月期 売上高1兆円を突破
ゼンショーホールディングスは5月、2025年3月期の連結決算で同社グループの売上高が1兆1366億円となり、1兆円を突破したと発表。これは前年同期に比べて17.7%の増加だが、同社では、家族連れやグループ客などの増加を要因の一つとして挙げている。国内で外食企業の売上高が1兆円を超えるのは初めて。同年度末における同社の店舗数は1万5000店舗を超えるが、そのうちの1万店以上は海外の店舗であり、その大部分はファストフード系のブランドとなっている。
解説=同時に、同社は創業者である小川賢太郎氏が代表取締役会長兼社長から退き、副社長である次男の小川洋平氏が代表取締役社長となる人事を発表した。1982年の創業から初の社長交代で、賢太郎氏は代表権のある会長となる。
●タリーズコーヒー 東京郊外に大規模店
タリーズコーヒージャパンが、東京・三鷹市に首都圏で最大級となるロードサイド型店舗を出店。JR中央線の武蔵境駅から南側に延びる主要道路沿いに位置する独立店舗で、テラス席を含めて90席以上、20台の駐車場を備えた大型店となる。“地域に寄り添うコミュニティーカフェ”をテーマに、内装材の一部には地元である多摩産の木材などを使用。店内にはペット同伴で利用できる専用の区画を設け、出入口も専用として動物が苦手な利用者と動線を分ける方式を導入している。
解説=広い屋根上には環境施策として太陽光発電パネルを設置。また、敷地の広さを生かし、東京都では初となるドライブスルー店舗となっている。同ブランドには、全国でも10店舗ほどしかドライブスルー店舗が存在していない。
●一風堂が米国NYに 初のヴィーガン専門店
力の源ホールディングスは4月、米国・ニューヨークに「一風堂」ブランドとして初のヴィーガン専門店「ippudo V」を出店した。プラントベースの素材を使用したラーメンやつけ麺のほか、豆腐や海苔などを使った料理や、ヴィーガン対応の寿司ロールなども取り揃えた日本料理店というスタイル。今回の店舗はブルックリン地区への出店だが、同社が2008年にニューヨーク・マンハッタンに海外1号店をオープンして以後、ニューヨークでマンハッタン以外へ出店するのは初。
解説=同社では2021年から、植物由来の食材で豚骨スープの風味を実現する豚骨ラーメンを発売している。同社の海外店舗やインバウンド観光客に豚骨を口にできない利用者が多かったことから、数年の年月をかけて開発した。
●「ゴンチャ」藤沢に 銀行内店舗を出店
「ゴンチャ」が、神奈川県にある東京スター銀行の藤沢支店「ファイナンシャル・ラウンジ」内に店舗をオープン。資産運用で同銀行を利用する顧客には、「ゴンチャ」のドリンク提供サービスなどもある。
●多業態展開の認知拡大 「梅の花グループ」に
梅の花は、5月から社名を梅の花グループに変更した。同社は、創業ブランドである「湯葉と豆腐の店 梅の花」のほかにも、さまざまな業種・業態を展開しているが、そうした実態を広く認知してもらうことが狙いだという。
●ヤザワミートの新業態 「矢澤チキン」出店
ステーキ・ハンバーグの「ミート矢澤」などで知られる精肉卸のヤザワミートが、チキンカツ専門店の新業態「矢澤チキン」を、東京・赤坂の商業施設に出店。チキンカツをのせたオムライスや、黒毛和牛を煮込んだカレーのチキンカツカレーなどを販売。
●「かつや」初のセルフ店舗出店
豚カツ専門店「かつや」が、初の前払い方式セルフサービス店舗を千葉県・幕張に出店。ここ数年、テイクアウト専用券売機や店内用の前払い券売機、テーブルオーダーなど試行錯誤を重ねた結果、同店では有人レジ1台と券売機2台を導入した。
●台湾料理店「鼎泰豊」 ビル1棟丸ごと店舗に
小籠包で知られる台湾料理の「鼎泰豐」が、4階建てのビル1棟が丸ごと店舗となる新店を東京・池袋にオープン。席数は約100席で、同ブランドでは国内29店舗目となる。運営は、高島屋のグループ会社アール・ティー・コーポレーション。
●丸亀製麺のスイーツ店 「丸亀うどーなつ」出店
「丸亀製麺」が昨年から販売する、うどん生地を生かしたスイーツ「丸亀うどーなつ」の累計販売数が1500万食を突破。愛知県で、既存の「丸亀製麺」店舗に併設するテイクアウト専門のトレーラー型店舗「丸亀うどーなつ屋」を出店した。
●FR「ジョイフル」 カタツムリ混入
ファミリーレストラン「ジョイフル」などを展開するジョイフルは、島根県松江市の店舗で4月、提供した商品にカタツムリが混入していたことを発表。食材のベビーリーフに付着していたものが、洗浄や盛り付けの過程で除去できなかったという。
●コロワイドが豪州 外食企業M&A
コロワイドは、オーストラリアとアラブ首長国連邦で高級ステーキレストランを運営するオーストラリア企業の買収を発表した。牛肉の調達などで、同社が計画する海外事業との連携が期待できると判断。子会社のコロワイドMDが全株式を取得する。
●「生ドーナツ」店 米国NYに進出
東京都内などに数店舗を展開するドーナツ店「I’m donut?(アイムドーナツ)」が、米国・ニューヨークのタイムズスクエアに海外1号店を出店した。創業者の平子良太氏が開発した「生ドーナツ」と呼ぶ独自の商品で、ドーナツの本場である米国に挑戦する。
●「ガーデンハウス」が日本橋兜町に新カフェ
鎌倉発祥のレストランブランド「GARDEN HOUSE(ガーデンハウス)」が、新業態の「ガーデンハウスコーヒー」を東京・日本橋兜町に出店。平日はビジネス街であり、週末とは客層が異なるという特殊な立地を考慮した“都市型のカフェ”として開発した。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略