惣菜弁当の殿堂(20)金城かまぼこ店「じゅーしーかまぼこ」 30年の封印を解いた“まかない”

2014.06.02 423号 16面
プレーンタイプの「じゅーしーかまぼこ」と、カレーじゅーしーをイカスミかまぼこで包んだ「ブラックジューシー」

プレーンタイプの「じゅーしーかまぼこ」と、カレーじゅーしーをイカスミかまぼこで包んだ「ブラックジューシー」

32歳で三代目を継いだ金城球二社長(35歳)。石垣島は新空港の開業で年間来島客100万人を突破。観光客に向けたアピールにも意気込んでいる

32歳で三代目を継いだ金城球二社長(35歳)。石垣島は新空港の開業で年間来島客100万人を突破。観光客に向けたアピールにも意気込んでいる

 ◇オマケ試供で予約注文が続出 石垣島惣菜の新定番に

 「じゅーしーかまぼこ」は、沖縄の炊き込みご飯「じゅーしー」を「白身魚のすり身」で包み、油で揚げた、石垣島の名物料理。早い話“おにぎりのかまぼこ包み”だ。誕生は約30年前。島内「金城かまぼこ店」の“まかない”として生まれ、2004年に商品化された。現在、島内25ヵ所の小売店を通じて販売され、日販500個を超える人気ぶりを見せている。

 ●調理概要:熟練者手作りのかまぼこ均等7mm厚

 外皮のかまぼこの原料は、イトヨリ、ヒメジのすり身。中身のじゅーしーは、カツオだしに醤油と石垣特産のピパーツを加えコメを炊いた味付けご飯。ジューシー(90g)を丸め、すり身(90g)で包み、170度Cの大豆油で2分揚げれば完成だ。かまぼこを均等7mm厚に整えるのが難しく、熟練者でも1時間に40~50個しか作れないそうだ。

 2006年に追加発売された「ブラックじゅーしー」は、すり身にイカスミを加え、じゅーしーに石垣特産のウコンを混ぜてカレー味に仕立てたもの。黒色(かまぼこ)と黄色(じゅーしー)の意外なコントラストが南国らしくユニークだ。

 ●販売実績:島内25店に卸売り催事では日販2000個も

 現在、製造工場併設の本店のほか、卸先の島内25ヵ所の小売店で販売されており、日販は約500個。「じゅーしーかまぼこ」と「ブラックじゅーしー」の割合は半々。出張販売にも積極的で、東京開催の物産展では日販1500~2000個も珍しくないという。とりわけブラックはタイガースファンから大人気だとか。

 ●ポイント:崩れを防ぐためすり身で包み揚げ

 かまぼこ店の朝は早い。日配品のため、夜中の1時から製造が始まり、6時には配達に出る。その合間に食べる“まかない”として「じゅーしーかまぼこ」は生まれた。

 金城球二社長は「まかないの定番はじゅーしーおにぎりでしたが、じゅーしーおにぎりは硬飯でポロポロと崩れて食べにくい。その崩れを防ぐため、身近な原料(魚のすり身)で包んで揚げたのが始まりです」と言う。

 以来30年間、まかないに限られてきたが、2004年のある日、作りすぎたため、常連客にオマケとして試供したところ、口コミで予約注文が続出。片手間で対応していると面倒なため、製造ラインを整えて商品化した。

 ◆店舗概要

 「金城かまぼこ店」 ▽経営=(株)石垣島かまぼこ▽所在地=沖縄県石垣市新栄町73-9

 ◆食材の決め手

 キッコーマン「キッコーマンこいくちしょうゆ」

 ジューシーの調味に不可欠

 最も強い醤油香を有する、キッコーマンを代表する濃口醤油。醤油本来の鮮やかな色と、コクとキレのバランスがよい味、華やかな香りが特徴。汎用性に優れ、和・洋・中を問わず幅広い料理にマッチする万能調味料として活用できる。とりわけクセの強い肉や魚にマッチする。

 規格=10Lパック

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