焼肉特集2015 メニュートレンド:4種類食べ放題で満腹に 「わぎゅうや尼崎本店」
行列のできる焼肉ランチの店として有名なのが、尼崎市の「わぎゅうや尼崎本店」。ランチの目玉は、1000円の食べ放題(60分)や、食べ応えたっぷりのステーキメニューで、安さとボリュームが大きな魅力である。牛肉価格高騰に対抗して奮闘中の現状と、今後の展望を取材した。※情報は、2014年11月時点のもの
●牛肉事情に合わせ見直しも検討 オリジナルの水晶たれも人気
「わぎゅうや尼崎本店」のランチで一番人気は、60分間食べ放題の「牛切り落し定食」1000円(税込み)・小学生600円(同)。土・日曜も同条件で利用できるためファミリー客も多く、週末には20組以上の待ちが出るという。
まず提供されるのが、牛肉の切り落としとシマチョウ、鶏もも、豚カルビのセット(1人前各80g)。食べきったところで、4種類から好みの肉を追加注文していくシステムである。肉とご飯は食べ放題、味噌汁とサラダ付きで、大食漢も満足できる内容だ。
そのほか、ランチには、黒毛和牛やUSビーフのステーキメニューもあり、なかでも人気なのが、「アメリカンビッグステーキランチ」1500円(同)。塩・コショウを施した約400gの1枚肉がドンと登場し、自分の好みで焼いて楽しめる、迫力あるメニューである。
また、客から好評なのが、オリジナルのたれ。同店自慢の透き通った“水晶たれ”は、甘酸っぱくサッパリした味。もみだれで濃い目に味付けされた肉に合う、ほかにはない味わいである。また、コチュジャンベースのホルモン味噌や醤油などで工夫した“味噌だれ”や、和牛用の“ヒマラヤ岩塩プレート”なども用意し、肉に合わせて楽しめる。
満足感あるランチを提供中の同店だが、課題になっているのが、牛肉の確保と卸価格への対応である。同店では、黒毛和牛のA4-BMS6番を一頭買いしてさばくため、切り落とし肉が出るわけだが、それだけでは消費に対応できない。食べ放題には、和牛の切り落としとUSビーフを合わせて提供している。
「客数の増加とともに提供量も増えたため、輸入牛も扱うようになったが、全体的な流通量の減少や昨今の卸価格高騰は大きな打撃。定食の価格は、スタート時の760円(税別)から880円(同)、現在の価格へと変更してきましたが、これでも食べ放題では、“儲けなし”です」と、代表の竹中正さん。
その状況を打開するために検討中なのが、食べ放題ランチの見直し。「牛切り落し定食は、今の4種類の食べきりで同価格、もっと食べたい人には、1500円(税込み)での食べ放題を予定しています」。客の動向を見ながら、新展開に取り組んでいきたいという。
●店舗情報
「わぎゅうや尼崎本店」 所在地=兵庫県尼崎市東難波町2-16-10/オープン=2010年10月/営業時間=午前11時30分~午後2時(LO1時30分)、5時~11時(日・祝10時30分。LO=各30分前)。無休/席数=176席/1日平均客数=平日約200人、週末約300人/客単価=昼1100円、夜3500円
●愛用資材・食材
「白しょうゆ調味料」 ヒガシマル醤油(兵庫県たつの市)
透き通ったたれのベース
同店の水晶たれで使用するのが、ヒガシマル醤油の「白しょうゆ調味料」。色は薄口醤油の4分の1で、素材に色を付けずに、バランスのよい風味に仕上がる。同店では、同商品を加えたベースと大量の柑橘系フルーツを煮込み、24時間寝かせてからこすことで、透き通ったたれに仕上げている。
規格=1.8L