青果卸の旬奨銘柄:1月 つま正取締役営業部長・小山正和氏
◆遠山かぶ
上杉家が持ち込んだ伝統野菜 甘味が強く煮崩れしにくい
産地:山形
入荷時期:11~2月末
サイズ:直径約10cm
卸値相場:150円/個
使用例:煮物、スープ、ピクルス、粕漬けなど
洋種系のカブで、北前船で越後に伝わり、後に上杉家が米沢に移封した際に持ち込んだとされる。後年、上杉鷹山公が米沢遠山地区での栽培を奨励した。カブ本来の風味と甘味が強く、肉質は緻密で硬め。煮崩れしにくく、煮込み料理に最適。ちなみに「雪菜」は、同じく上杉家が持ち込んだ長岡菜(新潟伝統野菜)と遠山かぶとの交配種と考えられている。
◆雪菜
食の世界遺産「味の箱舟」認定 雪の中で育てる米沢伝統野菜
産地:山形
入荷時期:12~3月
サイズ:全長約25cm
卸値相場:350円/200g
使用例:サラダ、炒め物、天ぷら、あえ物、煮びたし、汁物、パスタなど
米沢藩藩主上杉鷹山が奨励したといわれている、雪の中で育てる野菜。畑から収穫後、15株程度を束にして稲わらと土で囲い積雪を待つ。そして雪の中で自身の葉を栄養源として花茎を伸ばす。食べるのは、その花茎部分。「ふすべ漬」がメジャーだが、クセのないセロリのような食感。味わいは、サラダを始めさまざまな料理にアレンジしやすい。
◆小野川豆もやし
温泉が育む唯一無二の豆モヤシ 生産者数人の希少野菜
産地:山形
入荷時期:12~3月
サイズ:全長約20cm
卸値相場:600円/束(300g)
使用例:鍋物、汁物、炒め物、おひたしなど
小野川温泉の源泉を利用し育てた山形県置賜(おきたま)地方の伝統野菜。小屋に引き込んだ温泉水の上に「室」と呼ばれる砂を入れた小箱を設置。その中で栽培される。豆の風味が濃く、食感に優れている。近年、新潟県の在来系統に近いことがわかり、こちらも上杉藩とのつながりが推測されている。(強いライトの下で撮影したため、多少豆が緑化しています)
((株)つま正取締役営業部長・小山正和氏)
※卸値相場はあくまでも目安です。季節により変動します。
●(株)つま正 横浜市神奈川区栄町89-28
横浜新興青果商業協同組合所属の青果卸。ホテル、高級飲食店、外食チェーンなど、横浜市内を中心に約1000店の顧客を持つ。