メニュートレンド:ラーメン店がプロデュース 「まんねんカレー」

2015.03.02 432号 01面
写真手前から、「まんねんとんこつカレー(とろ肉入り)」「カレーつけ麺」(並200g)、付け合わせの赤玉ネギのピクルス。

写真手前から、「まんねんとんこつカレー(とろ肉入り)」「カレーつけ麺」(並200g)、付け合わせの赤玉ネギのピクルス。

 昨年9月、大阪・谷町四丁目にオープンした「まんねんカレー」は、豚骨スープで作るカレーで人気度がアップ中の店。プロデュースする「まんねん」は、ラーメン店を展開中であり、その味を生かした新業態でのチャレンジという点でも注目である。

 ●豚骨スープで甘さとうま味あるルウに 軟骨肉をドンとトッピング

 大阪市の谷町四丁目は、ビジネス街としてランチ需要の高い地域。カレー店も多い飲食店激戦区に参入した「まんねんカレー」は、“豚骨スープで作る”をアピールし、順調にファンを増加中である。運営する「まんねん」は、大阪府下でラーメン店3店舗を展開。そのノウハウを活用する形で、新業態へ進出している。

 「もともと、ラーメン店では10年ほど前からカレーつけ麺を提供しており、安定した人気がある。そのつけだれの味と、スープの柱である豚骨スープの味を生かすカレーをと出店しましたが、思った以上の反響です」と、同社代表取締役の大成剛司さん。

 目指したのが、うま味の強い豚骨スープの甘さを活用した、辛さだけではない“甘さとうまさが7割”の味。ラーメン店で長時間かけて作る豚骨スープをベースに、10種類以上のスパイスなどを加えてルウを開発。最初は甘く、徐々に辛さが追いかけてくる、深みある味に仕上げている。

 メニューは、「プレーンカレー」700円から提供しているが、客の8割以上がオーダーするのが、「まんねんとんこつカレー(とろ肉入り)」850円。ご飯の上にドンとのってくる“とろ肉”は、長時間煮込まれた豚の軟骨肉。スプーンを入れると、ホロリと形が崩れ、ゼラチンと肉が現れる。同店では、トッピングにカツ類はないが、揚げ物に対抗できる満足感あるメニューとなっている。

 また、ラーメン店でも好評の「カレーつけ麺」850円も用意し、こちらもリピーターが増加中である。麺には、国産小麦100%の全粒粉で、食べ応えある14番縮れ麺を採用し、とろ肉をトッピング。さらに、たれの残りにライスを追加して入れれば、カレーライスも楽しめる趣向である。

 カレー店で難しいのが、夜の営業。同店でも“夜のちょい飲み”需要を掘り起こしたいと、昨年11月からは、アルコール飲料と一品メニューを用意して、“カレーバル”としての利用を提案している。近くにある系列のラーメン店では、創作中華ダイニングも展開しており、食材などはそちらから供給。カレー店らしい、スパイスを利かせたメニューも考案中である。

 「客席が少なく、集客には限界があるが、現在では当初の目標は達成しています。今後は、さらに20人ほどの1日客数アップを目指したい」。味の安定を第一に、夜の利用も増やしながら、カレー店の可能性を模索していきたいという。

 ●店舗情報

 「まんねんカレー」 所在地=大阪府大阪市中央区徳井町2-4-3 双葉グランドプラザ101/開業=2014年9月/営業時間=午前11時30分~午後3時、5時30分~11時。日曜、祝日定休/坪数・席数=約10坪・8席/1日平均客数=約60人/平均客単価=900円

 ●愛用資材・食材

 「S&Bセレクト クミン/ホール」 エスビー食品(東京都中央区)

 品質と価格が魅力

 同店では10種類以上のスパイスを利用し、自家焙煎もしてルウの調合を行っている。中でも、クミンをはじめ数種類のスパイスで活用しているのが、S&Bセレクトシリーズ。品質と価格、供給の安定性が選択のポイントである。

 規格=1kg

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