ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(94)ミミ・チェンズ・ダンプリングズ NY流ギョウザハウス

2015.03.02 432号 10面
具の中身によって、皮の包み方を変えている

具の中身によって、皮の包み方を変えている

明るく清潔なイートイン空間。始終、客が出入りしている

明るく清潔なイートイン空間。始終、客が出入りしている

 最近、ニューヨークの街のあちこちに出現し始めたダンプリング(ギョウザ)・ハウス。もちろん、以前から中国料理店に行けばギョウザは食べられたが、新しくオープンし始めたのは、ギョウザ専門のファストフードやファストカジュアルの店だ。中でも異色なのが、「ミミ・チェンズ・ダンプリングズ(ミミ・チェンのギョウザ)」。2人の若い台湾系アメリカ人姉妹がオーナーの、おしゃれでかわいい、ホームメードギョウザの店だ。(外海君子)

 ●NYで流行の兆しのギョウザをおしゃれな店内でいただく

 ギョウザは、食べやすい手頃なコンフォート・フードであるし、小腹がすいて何かを少しつまみたいという時に最適だし、また店によっていろいろ個性も出せるということで、最近、新しくオープンする専門店をよく見かける。ひょっとしたら、これから流行になるかもしれない兆しのギョウザだが、このプレ・トレンドの先駆者が、去年夏、オープンしたのが同店だ。

 白で統一した、明るく清潔なインテリア。大きなガラス窓。木肌のやさしいテーブルには、観葉植物の鉢。壁には、自己主張しないアートがさりげなく掲げられている。オープン前、まだ店の看板が出ていなかったとき、ビスケットかカップケーキの店でもできるのだろうかと思ったのを覚えている。

 ●シンプルなメニュー構成

 同店のメニューは、至極シンプル。ベスト5を選ぶこともできないほど少ない。定番の3種とシーズナル1種のギョウザ、そしてデザートギョウザの5アイテムだけだ。

 店に入ると、まずは突き当たりのカウンターで、焼きギョウザか水ギョウザかを選び、次に個数を選ぶ。6個で8$、8個で10$。その後、具を選ぶ。定番3種は、鶏とズッキーニの「ミミ・チェン」、ポーク、チンゲン菜、キャベツの「クラシック」、そして、ケール、ズッキーニ、卵、椎茸の「マイティー・ベジー」(野菜)。シーズナルは、定期的に変わるが、今回はキムチと牛肉。具に応じて、ギョウザの皮の包み方を変えている。

 ●安心、ヘルシーなギョウザ

 鶏も豚も、抗生物質フリー、ホルモンフリーで放し飼いで育てられ、オーガニック。野菜も、もちろん、地元のオーガニック野菜。安心して食べられ、ヘルシーな選択ができるギョウザを提供している。付けて食べるディッピング・ソースは店の特製ソースだ。

 注文し、支払ったあと、番号をもらって待っていると、席まで運んでくれる。やや厚めの皮にたっぷりの具。6個食べると、けっこう満腹感を感じる。

 ギョウザは、仕様でデザートにも変貌させられる優れものだ。デザートギョウザは、バナナとヌッテラ、イチゴとクリームチーズ、ホイップクリームとグラハムクラッカーなどシーズンごとに変わり、4個5$。

 ミミ・チェンとは、店を営む2人の姉妹の母親の名前だ。店のレシピはすべて母親直伝で、「ホームメードのレシピ」「毎日ハンドメード」「いつもフレッシュ」が店のモットーだ。

 ●事業データ

 ミミ・チェンズ・ダンプリングズ(Mimi Cheng’s Dumplings)/所在地=179 Second Avenue New York, NY/開業日=2014年7月/営業時間=火~水 午前11時30分~午後9時30分、木~土 午前11時30分~午後10時、日 午前11時30分~午後9時30分、月休/席数=約20

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