海外通信 外食ビジネスの新発想(24)ローラーコースターで料理が流れる

2019.12.02 490号 06面
店内の様子 (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

店内の様子 (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

店内の様子 (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

店内の様子 (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

自撮り用に特別に設けられた (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

自撮り用に特別に設けられた (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

かりっと揚げた「クリスピーチキン・バーガー」(10.29ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

かりっと揚げた「クリスピーチキン・バーガー」(10.29ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

ドイツの名物料理「シュニッツェル(肉を叩いてから衣をつけて揚げ焼きにする)フィンガー」(9.99ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

ドイツの名物料理「シュニッツェル(肉を叩いてから衣をつけて揚げ焼きにする)フィンガー」(9.99ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

「バジルペーストと野菜のパスタ」(9.99ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

「バジルペーストと野菜のパスタ」(9.99ユーロ) (C)ROLLERCOASTERRESTAURANT

 ●工学的に計算された仕組み エンターテインメントを追求

 ドイツのニュールンブルグで開発された「ローラーコースター・レストラン」は、その名の通り、料理をローラーコースター(和製英語ではジェットコースター)で運ぶレストランだ。第1号はオーストリアのウィーンでオープン。以来、ドレスデン、ハンブルグなどドイツのほか、イギリス、ロシア、クウェート、アブダビなどで次々にオープンした。「エンターテインメント・ガストロノミー」(娯楽の美食)と称する通り、食べるだけではない、楽しむためのレストランだ。

 まず客は、入り口でカードを受け取る。テーブルにはデジタルメニュー(タブレット)が置いてあり、カードを挿入してから、タッチスクリーンをタップして注文。支払いもここで済ませる。

 注文した料理は、スパイラルのローラーコースターで流れて来る。厨房では、注文を受けて調理した後、特別な容器に入れ、9.5mの高さまでエレベーターで上げてから、レールに乗せて放つ。すると、自然の重力のみで客のところまでするすると降りてくるのだが、ソフトランディングにするため、いろいろな力学的な工夫がされている。料理の重量も重要なカギになる。さすが、ドイツらしく工学的に計算された仕組みだ。初期投資はかかるが、ウエイターがいらないので、人件費は削減できる。この仕組みは、特許を取得済み。

 メニューは、誰にでも楽しめるよう、バーガー、パスタ、サラダなどベーシックだ。一番人気のバーガーは、チーズバーガー、クリスピーチキンバーガー、ビーガン用にキノアのバーガーなど8種類。サイドディッシュは、ポテトフライ、ガーデンサラダ、ポテトサラダ、コールスロー、赤キャベツサラダなど。ビールやカクテルも各種用意しているので、おつまみ的なイカリングやフィッシュ・ナゲット、シュニッツェル(ドイツの名物料理のカツ)フィンガー、オニオン・リングなどもメニューに載せている。子ども連れも楽しめるようにお子さまメニューも用意。不特定多数の客を最大公約数で抱え込むメニューだ。

 店内には、インスタグラムなどにアップロードするための写真を撮るセルフィ-・コーナーも設けている。

 ●店舗情報

 「ローラーコースター・レストラン」

 所在地=Riesenradplatz 6/1 1020 Vienna

 ●代表メニュー

 ・チーズバーガー(11.79ユーロ)

 ・クリスピーチキン・バーガー(10.29ユーロ)

 ・シュニッツェル・フィンガー(9.99ユーロ)

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