メニュートレンド:レモン料理約50種類の専門店 酸っぱい魅力に女性集結
レモンサワーのブレイクや菓子類の増加など近年堅調な“レモンブーム”。飲食店でも、レモンをキーワードにメニュー展開をする店が登場しているが、2016年創業の「カプリ食堂」は、レモン料理専門店の先駆け的な存在。18年には2号店の「カプリ食堂Limone Verde」もオープンし、レモン料理の魅力を積極的にアピールしている。
●すべてに瀬戸田レモン使用
カプリ食堂が誕生したのは、京都市・烏丸五条のビジネス街。「激辛好き向けの店はあるが、酸っぱいもの好きが集える店はない。需要は結構あるはずと、京都初のレモン料理専門店としてオープンしました」と金森陽平店主。
レモンを料理の主役に据えるのは難しいが、だからこそ多様なジャンルの料理とコラボレ-ションさせる面白さがあると、特化したメニュー開発に着手。レモンをほとんどの料理に取り入れるこだわりの店づくりでレモン好きの支持を獲得し、今では女性客が8割を占める人気店となっている。
「カフェ、レストラン、バーと、その人らしいスタイルで楽しんでもらいたい」と、料理は約50種類、レモン系ドリンクは30種類以上を用意。イタリアンに固執せず、唐揚げやチキン南蛮などの居酒屋メニューも提供し、幅広いニーズに対応している。また、賄いから生まれて利用客の要望から登場したというレモンラーメンも人気だ。
同店では、契約農家から直接仕入れる広島産“瀬戸田レモン”を使用。「低農薬・ノーワックスで皮まで安心して食べられる。フレッシュな甘酸っぱさなど、味も外国産とは違います」と、金森店主は魅力を語る。国産レモンには端境期があるため、その前に大量に仕入れて冷蔵保存するなどの工夫で通年の使用量を確保しているという。
レモンは、生や加熱調理での提供など、料理により多彩な形で加味されているが、さまざまなシーンで活躍するのが自家製の塩レモン。タネ以外を丸々ペースト状にし、塩やグラニュー糖をプラスして作る自慢の発酵調味料で、下味に入れたり料理に添えて活用。酸味と苦味が調和した風味が主役をさらに引き立てる。
「レモンは熱の加え方により味が変化するため、料理に合わせた使い方が肝心。苦労もあるが、今後も開発に取り組み、“レモン料理”という新ジャンルを提唱していきたい」。金森店主は“レモン系ユーチューバー・カナモレモン”としても活動中で、レモンファンへの情報発信にも意欲的に取り組んでいる。
●店舗情報
「カプリ食堂 Limone Verde」 所在地=京都市上京区武者小路町451-2/開業=2018年11月/席数=約50席/営業時間=11時30分~15時、17時30分~23時。無休/平均客単価=2000円
●愛用資材・食材
「レモンステーキのたれ」 フンドーキン醤油(大分県臼杵市)
甘酸っぱい醤油ダレ
人気商品の「レモンステーキ」(1580円)で愛用するのが、知り合いの店で存在を知り、おいしさに感心して採用を決めたという同品。佐世保発祥のご当地グルメ・レモンステーキ・用に開発された、甘酸っぱいレモン風味の醤油ダレである。同店では、肉を焼いて出た肉汁に同品を合わせて加熱するなどのアレンジを加えて活用している。
規格=230g
【写真説明】
写真1:レモンとの爽やかなマリアージュを楽しめる3品。70℃の低温調理で5時間煮込むチキンコンフィは、添えられた塩レモンとの相性もバッチリ