メニュートレンド:先から元までとにかく長い! 牛タンの個性化
東京・新宿の「あそばれ 新宿東口店」はフードメニュー約40品のうち、半数近くの17品を牛タン商品で揃えて評判の繁盛居酒屋。和洋さまざまな調理法で牛タン料理をラインアップするが、とりわけ個性的なのが、今回紹介する「30cm超ロング牛タンしゃぶ」だ。
●ハードル乗り越え商品開発
箸でタン先を挟んで持ち上げると「帯」のように長くひらめく様子がインパクト絶大。これが注文客のSNS投稿を促し、目的来店にもつながっている。
「牛タンでバズるメニューを作ろうと検討していく中で、本来横にスライスするところを縦にスライスできれば面白いのではと考えました」と、統括マネージャーの小牧祐也さんは開発のきっかけを語る。なるほど、牛タンは1本の長さが30cm以上で、先端からタン先、タン中、タン元、タン下と部位ごとに分けて横にカットされることが一般的なので、輪切りのような形状になる。これを縦にスライスすることで30cm以上もの長さになる上に、コリコリしたタン先から軟らかなタン元までの異なる食感を一度に味わえるのだ。
“横のものを縦にしました”と書くのは楽だが、実際に実現させるのは困難の連続だったという。「前例がないので業者さんがやりたがらない。何度も説得してようやくやろうとなると、今度はしゃぶしゃぶに適した薄さにするのも難しく、何度も試作を繰り返しました」と小牧統括は苦労を語る。いくつものハードルを乗り越えて完成した同品は、見事狙い通りの反響を呼んで同店の集客力アップに貢献。そのビジュアルから男性客向きと思いきや、女性客からの注文の方が多いそうだ。
鍋つゆは昆布と鰹節をベースとし、つけダレはおろしポン酢とごまダレと、シンプル・イズ・ベスト。ロング牛タンならではの、一枚で食感や味わいが複雑である特徴をストレートに伝えてくれる。
今後の課題について小牧統括は「リピート注文されるお客さまが増えてきて、味付けのご要望をいただくことも増えてきました。今後はつけダレのバリエーションを増やすなど新しい楽しみ方を提案していきたいですね」と語る。
●店舗情報
「あそばれ新宿東口店」
経営=IFREA DINING/店舗所在地=東京都新宿区新宿3-35-10 ローヤルプリンスビル5階/開業=2021年4月/坪数・席数=40坪・80席/営業時間=16時~24時。年末年始休/平均客単価=4000円
●愛用食材・資材
「ヘルマン リアルマヨネーズ」 輸入元=リードオフジャパン
店の味をつくりやすい
しゃぶしゃぶのつけダレの隠し味にも愛用しているのが同品。「酸味、塩味がまろやかで素材の味を引き立ててくれるマヨネーズ。調味料として使い勝手がよく、居酒屋メニューには欠かせません」と、小牧統括は太鼓判を押す。
規格=660g