北海道支社開設70周年特集

総合 2019.07.30
北海道支社開設70周年特集

 北海道の魅力はなんといっても広大な自然に恵まれていること。積雪寒冷の厳しい自然条件下にありながら、全国の4分の1を占める広大な農耕地を生かして、稲作や畑作、野菜、果実、畜産・酪農など大規模で多様な農業生産が展開されている。食料自給率(カロリーベース)は2016年度、台風や長雨に見舞われバレイショ、小麦、テンサイなどが不作で185%(前年比37%減)だったが、日本の食料の安定供給を支える重要な役割は今後も変わることはない。テンサイやバレイショ、小麦、大豆、小豆、玉ネギ、ソバなど全国一の生産量を誇る農産物も数多く、これら食料・農業に関連し裾野が広い食品産業は本道経済を支える重要な柱だ。
 一方、消費額が1兆4300億円と、農業産出額(1兆2100億円)をしのぐ規模となってきた道内観光産業は、17年度の観光入り込み客数が5610万人、訪日外国人来道者数も279万人と過去最高を記録、観光消費による道内経済への生産波及効果は2兆0900億円にも及ぶ。道では20年度までに来道する訪日外国人500万人の目標を掲げ、観光施策を一段と強化する。17年度で総旅客数2272万人が利用する北海道空の玄関口・新千歳空港は、国際線旅客ターミナルビル施設の大規模な拡張工事を推進中。今年8月同ターミナルビル開業を皮切りに、20年1月の高級ホテル開設など施設全体の再整備を図る。また20年度から道内7空港の運営を一括で委託する空港民営化では、北海道空港(HKK)が代表を務める企業連合への受託が決まった。来春から新千歳空港の発着枠が2割増えることも決定、道民生活や道内経済・産業に対する役割や増大するインバウンドへの対応、拠点空港としての機能が一段と強化される。
 行事・イベント関連では、10月には倶知安町ニセコで20ヵ国・地域(G20)観光担当相会合が開かれるほか、9月にはラグビーW杯の2試合、20年の東京オリンピック・パラリンピックでも一部競技が札幌で開催される。国内外から注目が集まるタイミングに、北海道の魅力やブランドを最大限アピールするチャンスでもある。現実味を帯びてきた事業では、30年度末予定される北海道新幹線の札幌延伸工事が進み、1日も早い開業が待たれる。また、大樹町のベンチャー企業によるロケット打ち上げ実験も悲願だった宇宙空間(高度100km)に到達し、将来に向けた事業化へ夢をつないでいる。
 北海道にはフロンティアスピリッツに育まれ、先人たちが新天地を目指した熱き思いが脈々と息づいている。厳しさに耐え抜いた知恵と新たな発想、創造で、令和時代の北海道が日本、そして世界から注目され輝く未来となるよう道産子魂を発揮させていきたい。