タカラ・エムシー創業50周年記念特集
◆1都6県に約100店舗のSM展開 さらに深化するタカラ・レガシー
静岡県は人口比率で都道府県別順位第10位、全国シェアで3%の経済規模を擁する。東京と名古屋の両都市に挟まれつつも恵まれた自然環境のもと、これまで西部・中部・東部の各エリアでそれぞれ独自の食文化を形成してきた。そのため特徴的な地場の食品スーパーに対する県民の支持は厚く、まだまだ元気なローカル食品スーパーが顕在するのが現状だ。
県内においてその代表格が静岡市に本社を構える地域密着型食品スーパーマーケットの「タカラ・エムシー」だ。1970年の創業以来、「鮮度と安さ」を基本コンセプトに「フードマーケット マム」業態を基幹店として静岡県を中心に愛知県、神奈川県の3県にわたって展開。8月1日をもって創業50周年を迎えることとなった。
現在、食品スーパーは業態の垣根を越え他業態との競合は一層激化。まさに戦国時代さながらの生き残りをかけた熾烈な競争を強いられているのが実情だ。こういった状況下で大きな過渡期を迎えているSM業態にあって同社は、個店施策を重視しつつ積極的なM&Aを仕掛けることで年々店舗網を拡大。昨年には大黒流通チェーンなどをグループ化することで約900億円の売上規模までに成長を遂げている。
同社のSM事業は現在、静岡・愛知・群馬・埼玉・千葉・神奈川・東京で計97店舗(フードマーケットマム40店舗・主婦の店1店舗・リベロ2店舗・リベロマム1店舗・アソーゲタカラ3店舗・大黒流通チェーン44店舗・サンフレッシュブルーム2店舗・エース4店舗)を展開。店舗規模は300~400坪を標準とし、特にその中で上野拓社長は、「今回の大黒流通チェーンのグループ化は、100坪規模のコンパクトな店づくりを学ぶことができ、出店戦略の幅を広げることにもつながった」と強調。また昨年12月にグループ化したエースと合わせ、まさに首都圏エリア進出への足がかりとなる大きな取り組みとなっている。
食品スーパーとして「次世代にマッチした新たなコンセプトづくりが必要不可欠」(同社)な時代にあって、単に商品(モノ)を販売するのではなく、ストーリー性(物語)を提供する食品スーパーへと進化を遂げる中、同社ならではの価値創造は「タカラ・エムシーレガシー」として今後さらに100年、200年と受け継がれていく。
(中部支社・静岡支局編集部)
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◆タカラ・エムシー創業50周年記念特集:『鮮度と安さ』基本に半世紀
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:タカラ・エムシー50年の歩み
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:故・上野晏男氏を偲んで
特集 小売 2020.08.18●目標は会社のために非ず 自身の成長のためにある 創業者の上野晏男氏が精肉業に初めて触れたのは学生時代のこと。東京で精肉業を営む親戚から夏休みに手伝いに呼ばれたのがきっかけであった。晏男氏は過去のインタビューで当時を「観光気分で訪れ、そこで商売の面…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:上野拓社長に聞く 売上高1000億円到…
特集 小売 2020.08.18◇生活者のプラットフォームを構築 食肉小売店として創業以来、鮮度と安さにこだわり続け半世紀。精肉はセンター加工という近年の流れに反し、今も各店舗での加工を貫く。また現場主義を基本方針に掲げ、食文化や消費者ニーズなど異なるエリア特性に柔軟に対応。子ど…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:VISION 経営理念
特集 小売 2020.08.18タカラ・エムシーの信条は「店はお客様のためにあり、社員とともに栄える」 社員が「信頼」して働ける環境をつくり、お取引先様に「信頼」して商品をご提供いただける企業をつくりお客様に「信頼」してお買い物いただけるお店づくりを目指します。 スーパーマーケ…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:地域の食と暮らしを支える企業へ
特集 小売 2020.08.18●「鮮度と安さ」 「鮮度と安さ」は、1970年に食肉小売店として創業した先代社長のこだわりであり、誇り。「鮮度」は美味しさと安心・安全の素となり、「安さ」は暮らしの豊さにつながるからです。それは今も、「鮮度と安さ」をお客さまにお届けするための挑戦と…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:キーマンに聞く経営戦略
特集 小売 2020.08.18タカラ・エムシーの運営部門において、店舗運営部、商品管理部、総合戦略部、物流部(GV)を統括する統括本部。その統括本部長が店舗運営部を担当する平出圭吾専務執行役員で、副本部長が商品管理部と物流を担う子会社のGVを担当する上野孝治常務執行役員。タカラ・…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:平出圭吾専務 次世代対応の新コンセプト…
特集 小売 2020.08.18◇タカラ・エムシー・平出圭吾専務執行役員〈統括本部本部長(店舗運営部担当)〉 ●より一層のスピード感を重視 --まず担当業務については。 平出 大まかに言いますと、まずは当社のメーン事業であります食品スーパー事業に関わる仕事全般です。店舗運営を…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:上野孝治常務 「一人ひとりが経営者認識…
特集 小売 2020.08.18◇タカラ・エムシー・上野孝治常務執行役員〈統括本部副本部長(商品管理部担当)兼GV代表取締役社長〉 ●取引先は共に成長パートナー --商品施策全体の方針については。 上野 当社の信条に「店はお客さまのためにあり、社員とともに栄える」があります。…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:執行役員インタビュー
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:武田孝行執行役員 グループ個性大事に
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:赤堀義和執行役員 ドミナント展開を強化
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:西本卓司執行役員 感動得られる店舗を
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:静岡西=柴田博英営業部長 キャッシュレ…
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:浜松東=沓名長春営業部長 「やらまいか…
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:愛知・浜松西=新村健一営業部長 地元産…
特集 小売 2020.08.18●多様な顧客層にも対応 愛知・浜松西エリアは、浜松市中区に2店舗、西区と南区の2店舗、愛知県豊橋市と豊川市の計6店舗で、県境の店舗を抱えた広域エリアです。店舗規模は約825平方mのコンパクトな店舗から複合施設にテナント店として入居する豊川の約132…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:神奈川=桑原潔営業部長 支持される価格…
特集 小売 2020.08.18●信頼獲得へきめ細かく 神奈川エリアは県内4店舗を管轄し、店舗はマム湘南みずき店(茅ヶ崎市)、マム堀川店(秦野市)、マム四季美台店(横浜市旭区)、マム肉市場橋本店(相模原市)と東西南北に1店舗ずつ広範囲に立地しています。県内1500弱の食品スーパー…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:タカラ・エムシー社会貢献レポート202…
特集 小売 2020.08.18◇環境に配慮した店づくりを目指す 事業規模、商圏が拡大するに従い、地域の食のライフラインとしての責任が増してきている。また、地域社会を支える一員として、災害対応や省エネなど社会貢献活動の重要性は高く、引き続き地域密着活動に取り組んでいく。 ●地域…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:グループ企業一覧
特集 小売 2020.08.18●スーパーマーケット事業 静岡県を中心に中部から関東まで事業を展開しているタカラ・エムシーグループ。その事業は、主力のスーパーマーケット事業をはじめ、テナント専門店事業、物流事業、食品卸売事業、物流兼食品製造事業、フランチャイズ(FC)事業、メニュ…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:グループ企業ピックアップ GV
特集 小売 2020.08.18●物流業のイメージを一新 社内はかわいく、おしゃれに 女性ドライバーが活躍 GVは、タカラ・エムシーグループで物流事業を展開し、基本的には金谷物流センターの運営管理から各店舗への物流を担う。加えて、上野孝治社長の基本的な考えは「タカラ・エムシー以外…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:金谷物流センター 地域と社会に貢献する…
特集 小売 2020.08.18タカラ・エムシーが将来を見据えたインフラ構築として、2015年に開設した物流・製造の一大拠点が「金谷物流センター」。物流センターとしてDCドライ、DC冷凍・冷蔵、TCドライ、TCチルドを、製造機能として青果PC、惣菜PCを備え、展開する食品スーパー「…続きを読む
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タカラ・エムシー創業50周年記念特集:店舗リポート=フードマーケットマム 高…
特集 小売 2020.08.18●理想は食のアミューズメントセンター 有力スーパーがしのぎを削る激戦区として知られる駅南地区(静岡駅南)にひと際にぎわいをみせる店舗がある。それは静岡市駿河区に店を構える「フードマーケットマム高松店」だ。同店は精肉テナントとして入店していた「フード…続きを読む