こめ油特集
食用油屈指の“万能選手”である、家庭用こめ油が伸長している。内食増を背景に20年の市場規模は100億円を突破、さらに21年も継続して好調を維持している。「炒める」「揚げる」「焼く」などの加熱用途で他の汎用(はんよう)油からのシフトが見られたほか、自宅でのパン、スイーツ作りやドレッシングなど向けでの生使いも拡大。「スーパービタミンE」で知られるトコトリエノールなど優れた健康価値や、油酔いやベタつきの少なさ、くせのない風味などの評価も依然として高く、21年も需要は引き続き高まることが見込まれる。
一方で、原料となる米ぬかの調達は、国産・輸入ともに難化の一途をたどる。国内のコメ消費量や原料米ぬかの生産減を受け、需給はひっ迫し、調達価格は右肩上がりで上昇。輸入原料も主要調達先の関税増や為替変動、先般輸送コストの増加などコスト面は極めて厳しい。こめ油は本来、希少な米ぬかを使用する、日本が誇るプレミアムオイル。需要が堅調な中、安定供給を継続するために適正価格での販売は今後さらに重要性を増すだろう。(村岡直樹)
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◆こめ油特集:家庭用、100億円を突破 食用油屈指の“万能選手”
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