酪農乳業秋季特集

乳肉・油脂 2021.09.13

 酪農乳業界の2021年度は、「巣ごもり消費」などインホームで高まった需要を堅実に定着させるための新たな局面を迎えている。新しい生活様式の浸透で、20年度の牛乳・乳製品の家庭内需要は大きく高まった。特に、栄養・機能価値への注目は高まり、定番商品や機能性表示食品は広く購買が進んだ。生乳生産量は21年度も昨年に引き続き増産基調となり、3年連続での前年超えが予想されている。特に、北海道だけでなく都府県の生産基盤も強化が形となって現れ始めていることは注目だ。しかしながら、高まった生乳生産量を維持し、引き続き基盤強化を進めるには、しっかりとした需要喚起が重要となる。コロナ禍の長期化で、牛乳・乳製品への生活者からの期待は、身体の健康だけでなく、ストレスや不安からの「安らぎ」や「癒やし」など、心の健康も加わっている。生産基盤の整備という明るい兆しを確実な将来へとつなげるためにも、サプライチェーン一丸となった刺激策が期待される。(小澤弘教)