北海道ラーメン特集

外食 2021.10.29
北海道ラーメン特集

 道内ラーメン業界は長引くコロナ禍で約2年間、観光客激減や外食控えにより苦境に立たされてきた。テークアウトやデリバリーの導入、時短営業、通販強化など各店が新型コロナ対策を進める中、1日に全国の緊急事態宣言が解除。道内観光の玄関口である新千歳空港内ラーメン道場は多くの利用客で混雑し、札幌や旭川のテーマパークでも客足が戻り始めるなど需要回復の兆しが随所に垣間見えてきた。
 札幌の製麺会社は市内ラーメン店の状況を「まだ元に戻ったとは言いきれない。回復はこれからなのでは」とシビアな見方もある半面、旭川の人気店からは「緊急事態宣言中も客の動きはあり、人手が足りないほどだった」という声も聞かれる。
 そうした中、8日からは製麺会社などが主体となり、割引クーポン発行やスタンプラリー抽選会を行う「さっぽろこだわりのラーメンROAD」を開催。コロナ禍で売上げが落ち込んだ飲食業の回復に向けた起爆剤にしようという動きも始まった。
 15日には、北海道が札幌市の飲食店へ要請していた酒類提供自粛・時短営業の制限を解除。観光地をはじめ飲食店への人流回復が見込まれるが、これまで各店が実施してきた消毒や換気など基本的な新型コロナ対策意識を店・客の両者が緩めないことが需要回復への鍵となりそうだ。(角守建哉)