9月23日。今日はおいしい小麦粉の日
1543年9月23日、鉄砲の伝来とともに小麦粉の用途の代表格であるパンが日本に伝わったと言われている。それにちなみ、株式会社富澤商店はこの日を「おいしい小麦粉の日」に制定した。
小麦粉の種類と等級
日本の小麦粉は種類が多い。定義や規格はなく、小麦から皮を除いた粉が小麦粉で、便宜上、種類と等級で分類する。種類は強力粉、中力粉、薄力粉で、それぞれ硬質、中間質、軟質小麦からつくる。強力粉はたん白質が多く、適量の水で捏ねた生地は弾力が強い。中力粉、 薄力粉の順にたん白質が少なく、生地の弾力も弱くなる。硬質小麦の粉で強力粉よりたん白質が少なめのものを準強力粉とよぶ。
製粉工程で1、2、3等粉、末粉などの等級に分け、上位等級ほど灰分が少なく色も良い。1等粉で特別のものを特等粉、灰分が多めのものを準1等粉ともよぶ。小麦全粒粉にはパン用と 菓子用があり、粒度にも差がある。ザラメ状のセモリナはデュラム小麦からつくる。
食パンには強力の2等粉以上、 菓子パンには強力と準強力の2等粉以上を使い、フランスパンには準強力粉に近い専用粉がある。中華めん(ラーメン)には 外観と食感が良いめんになる準強力1等粉が、日本めんには明るく冴えた外観でモチモチの食感のめんになる中力1等粉が適し、パスタにはデュラム・セモリナを使う。洋菓子や天ぷらには薄力1等粉が適し、一部の和菓子やビスケットには中力粉も使う。家庭では薄力1等粉を多く使うが、パンや餃子の皮用には強力粉またはパン用粉がある。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般財団法人製粉振興会 長尾精一))