9月24日。今日は海藻サラダの日
9月24日はカネリョウ海藻株式会社が制定した海藻サラダの日。日本で最初に海藻サラダを作ったという同社の会長の誕生日に由来する。
海藻サラダにはワカメのほか、ややマイナーな海藻類も用いられる
フノリ
スギノリ目フノリ科の紅藻で、漢字で布糊と書くように、古来、衣料の糊料や整髪料にも用いられてきた。国内に広く分布し広くもっともふつうに利用されるのがフクロフノリ(藻体が中空)で、中南部日本には中実のマフノリ(先端が尖る)やハナフノリがある。いずれも根元の座のみが越年する多年生で、潮間帯に生える。主産地の岩手県をはじめ、全国各地で乾燥品が販売される。汁の実、蕎麦のつなぎ、海藻サラダなどに使われ、マフノリも高価で取引される。粘質多糖類フノランを含み、キシリトールとともに歯のエナメル質の齲蝕部で再石灰化を促進するのでガムにも使われる。せっけんや洗髪料にも使われる。
トサカノリ
スギノリ目ミリン科に属する鶏冠のような美しい膜状の紅藻。 本州中南部以南に産し、海藻サラダ用の紅藻としてはもっとも高価で取引される。国内では水深20mまでの範囲で潜水漁獲され、海藻ではもっとも深くまで漁場となる。深所の藻体は紅色が濃いが、浅所の藻体や打ち上げ藻体は黄化しており価格が低い。また、近年は植食性魚類の影響により資源が減少している。海藻サラダや刺身のツマには原色のまま赤トサカ、アルカリ処理して緑トサカ、脱色して白トサカとして用いる。塩蔵品や乾燥品で取引される。ただし、高価であるため、輸入した紅藻で代用されることも多い。千葉、東京(伊豆諸島)、高知、熊本、 長崎、鹿児島などで漁獲され、近年、愛媛ではカゴ養殖も行われている。
オゴノリ
オゴノリ目オゴノリ科の紐状 の海藻。オゴノリ類は重要な寒天原藻で、南米や東南アジアから大量に輸入されているが、刺身のツマや海藻サラダの原料に は主に国産が用いられる。種類が多く、区別も難しいが、全国でもっともふつうに普通に見られるのがオゴノリ(潮間帯に生育、枝の根元がくびれる)で、 よく似た形状のツルシラモ(漸深帯に生育、枝の根元がくびれない)などとともに採取されている。製品は加熱またはアルカリ処理して出荷される。生物が販売されていることもあるが、生食は死亡例があるので注意を要する。なお、南日本では、枝が太く扁平なシラモが酢の物などに利用され、高価である。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:東京海洋大学大学院 藤田大介 ))