1月6日。今日は色の日
1月6日は色の日。語呂合わせに由来し、色彩に関連する職業の人の記念日である。
世界で最も使われている着色料、カラメル
カラメルは食用糖類の加熱処理物であるが、加熱処理の度合と利用法により、食品として扱われるものと食品添加物として扱われるものに大別される。
カラメルがいつ頃から利用されるようになったかは明らかではないが、ヨーロッパにおいては砂糖を適度に加熱しほどよい甘味、苦味、酸味、色合のカラメルシロップをつくり、菓子などの味つけあるいはソースとして使用したり、また加熱を強めて色合の濃いシロップをつくり、色づけとして利用されてきた食習慣が家庭料理にみられることから、大変古くからと想定される。現在、食品添加物で着色料として位置づけられているカラメルは、このような食生活との深い関わりのなかから発展してきたものである。
近年の消費者の天然物志向にともない天然系着色料であるカラメルは、工業的に大量生産ができ安価であること、色調が食品を加熱した時の褐色を呈することなどによって、現在では世界でもっとも多量に利用されている着色料である。
カラメルが着色料として工業的に製造され商品化されたのは、19世紀中頃とされている。ドイツでは1820年代に製造が始まり、1858年にはフランスでカラメル技術に関する研究論文が初めて公表された。米国では63年に初めて生産された。わが国におい ては、明治の初期にヨーロッパでビールの着色にカラメルが使用されていることを知って、東京の日本橋にあった貿易商である島久商店によってドイツから輸入、使用されたのが始まりである。製造され販売されたのは96(明治29)年で、東京両国の小沢商店によって輸入砂糖を原料として製造された。当時の主な用途は、醤油、ビール、たばこ、氷菓子、医薬品などであったが、消費量は少なかった。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:仙波糖化工業株式会社 張替 泰))