1月7日。今日は人日
旧暦の1月7日は人日(じんじつ)の節句。唐では「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という7種の菜を入れた羹(あつもの)を食べて、無病息災を願った。日本ではこの習慣が転じて七草粥を食べるようになった。
スープを意味していた羹は、やがて和菓子へと変化した
羹に多くの種類があり、室町時代の『庭訓往来』などには白魚羹・鼈羹・海老羹・猪羹・羊羮ほか多くの名前が記されている。羹は中国では、スープとして食べられており、羊羮は羊の肉を使ったスープであった。
羹をもたらした禅僧は肉食を禁じられていたために、穀物や豆類を加工して、羊の肉や海老に見立てた汁ものとして食べていた。その後豆などで作られた固形物が独立して、甘味をもった菓子に変化を遂げているのである。その時期ははっきりしないが、 戦国時代から近世初頭の日本語をよく残している『日葡辞書』(1603年刊)には、羹は豆や小麦と粗糖または砂糖とで作る日本の甘い菓子と記され、砂糖羊羮は甘い板菓子の一種とある。当時の羊羮は蒸羊羮であったので板菓子とは、現在の「でっち羊羮」のようなものであったのであろう
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:全国和菓子協会 藪 光生))