4月14日。今日はオレンジデー
4月14日はJA全農えひめが制定したオレンジデー。2月14日のバレンタインデー、3月14日のホワイトデーに続き、大切な人にオレンジ色のものを送りあって愛をさらに深める日とされている。オレンジは繁栄や多産のシンボルである。
戦後のオレンジジュースブームとは
果実飲料は炭酸飲料誕生から約30年後の1897年(明治30年)に、和歌山県有田郡において温州みかんを搾ってびん詰めにした“みかん水”が発売されている。しかし、殺菌方法が厳格に確立されていなかったこともあり内容物が発酵し、びんの破裂事故などが発生。このことから製造・販売が中止され、 果実飲料が実質的に販売されたのは第二次世界大戦後である。
進駐軍による物資にオレンジジュースなどが含まれ、戦後間もない1949年(昭和24年)にはアメリカから「バヤリースオレンジ」の輸入が開始され、清涼飲料水に果実飲料が実質的な仲間入りを果たすとともに、オレンジジュースブームが起きた終戦を経て経済が安定し、生活者の生活も豊かになったことで、清涼飲料水は容器の多様化と品種領域の拡大へと進んだ。
とくに、1955年は清涼飲料水にとって2つの大きな出来事があった。1つは、日本初となる缶入り飲料が発売されたことである。缶詰めオレンジジュースが市場に出現し、これが清涼飲料水における最初のワンウェイ容器となった。もう1つは、清涼飲料水の自動販売機(以下自販機)による販売が開始されたことである。売り場(買い場)が増えたことで、販売量を拡大する大きなきっかけとなった。
当時の自販機は、俗に「噴水ジュース」ともよばれ、販売機の上に半球型や逆円錐型のガラス容器が設置され、その中でオレンジジュースが上に向かって噴出しているもので、紙コップに注がれるタイプだった。缶飲料を販売する自販機が普及する1970年中頃までは、遊園地やデパートの屋上などに設置されて いた。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人 全国清涼飲料工業会 ))