6月4日。今日は蒸しパンの日
6月4日は日糧製パン株式会社が制定した蒸しパンの日。蒸し(64)の語呂合わせに由来する。蒸しパンとは、パン生地をそのまま、またはフィリングを充填して蒸したパンのことである。
多様な日本の菓子パン
あんパン、クリームパン、ジャムパン、メロンパンのようなわが国独自の菓子パン類は同一生地からつくられる場合が多い。製パン用酵母が市販される以前の明治、大正時代には、酒種がガス発生力源として使われていた。このような製パンは手間暇がかかり、また安定性に欠けるが、これを首尾よく行うことが できれば、製パン用酵母を使用した製パンでは再現することができない特殊な香り、風味、そして食感をもつパンを製造することができる。このような美味しさを求める消費者のために、ごく一部では伝統的な酒種を使用した菓子パンづくりが継承されており、その製品類は酒種菓子パンとよばれる。しかし、多くの消費者の菓子パンに対するニーズは、ふっくらと膨らみ、食感が軽くソフトで、さわやかな香り、風味のものにシフトしており、今日では中種法を菓子 パン用に改良した加糖中種法が一般的な生地製法になっている。
近年のパン業界の動向の一つとして、さまざまなフィリングやトッピングを駆使した菓子パン類の新製品開発競争があげられる。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人日本パン技術研究所 井上好文 ))