第3回お米未来展2024

◆第3回お米未来展2024:米消費拡大へ新需要創造を 健康・簡便性を追求

農産加工 2024.04.29 12750号 07面
情報集結した米粉パビリオン

情報集結した米粉パビリオン

新時代の米袋を追求したコバヤシ

新時代の米袋を追求したコバヤシ

 コメ需要の静かな高まりを受け、日本食糧新聞社では10~12日、「FABEX東京2024」(会場=東京ビッグサイト)の一翼を成す展示会として、業界唯一のコメ専門展示会「第3回お米未来展2024」を開催した。

 テーマに「米消費拡大に向け米産業のイノベーションによる新しい需要創造を目指す」を掲げ、健康や簡便性などニーズを追求した商品や米粉に代表される新たな用途が一堂に介した。会場には49社が63小間を形成し、FABEXに来場した5万5214人が訪れ、熱心に情報収集や商談に励んだ。(佐藤路登世)

 ●米粉など新用途提案

 コメ卸最大手・神明のブースでは、健康志向で注目の玄米を加工した「玄米シュレッド」「玄米ヨーグルト」を前面に打ち出し、プラントベースフードやビーガン、アレルギー対応の観点からも注目を集めた。そのほか、BIOSSAブランドのグルテンフリーパンも紹介した。

 ヤマトライス(大和産業)は、イチオシ商品の「やわらい玄米ごはん」の試食を提供し、軟らかいもちもち食感を訴求。そのほか、機能性表示のGABA発芽玄米粉や滋賀県産ダイシモチを100%使用した「たべてほしい紫もち麦」など、健康基軸商品のPRに努めた。

 コメ新品種「ひゃくまん穀」普及推進委員会では、「ひゃくまん穀」や「ゆめみずほ」「コシヒカリ」など、石川県産米を活用したパックご飯やおにぎりなど加工品のほか、新導入した冷凍米飯設備を活用したキンパの試食も行い、好評を得た。

 最新技術では、クリスタコーポレーションが、広島国際大学との共同研究で開発した食材軟化技術を生かした、見た目はそのままの柔らか食を紹介。コバヤシは、通常の米袋よりプラスチック量を40%以上削減した紙袋を紹介した。

 米粉では、波里が本社工場隣接地に今春新工場を設置し、国内最大規模の生産体制を敷いたことから、用途ごとに選べる多様な業務用米粉の提案を強化。ベーカリーや洋菓子専門店など小口ユーザー向け小容量10kg入りや、チャック付きパッケージにリニューアルし、利便性を高めた家庭用小袋商品も紹介した。米粉パビリオンでもアルファー化米粉やコメ100%で作っためん、フライ用米粉フレークなど、多様な商品やサービスが並んだ。

 また、米粉メニューを提案する実演コーナーを設け、波里による今井寿シェフの米粉のニョッキとトルタ・ディ・フォルマッジョ、米粉料理研究家の中村りえ氏による米粉チヂミやマフィンなどの実演・試食を行った。

 特別セミナーでは恒例の藤尾益雄神明社長の講演を皮切りに、業界キーパーソンや研究者による最新情報を発表。コメ由来タンパク質や玄米の加工利用、農林水産省による新たな需要拡大への取組みなどが注目を集めた。

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