気候温暖化は冬場の天然製造だけでなく原藻の枯渇と高騰も招いている(茅野市の角寒天製造=1月)
夏の需要期を迎えている寒天。多彩なゼリー強度や食感を表現できる粉末寒天、冬場の寒気を生かした製造方法で手掛ける角(棒)寒天、細(糸)寒天など、伝統と先進性を併せ持つ。その足元が今、大きく揺らいでいる。寒天の原料である海藻、原藻が、気候温暖化に伴う海水温の上昇や潮流の変化で収穫量を大きく減らしているためだ。
寒天は複数の原藻をブレンドして製造するが、主要な原藻であるテングサ(紅藻類テングサ科)は1年草で養殖ができないため、天然の資源に頼っている。その