2025年8月度、外食動向調査 フードコンサルティング
●45ヵ月連続で前年比増収達成
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2025年8月度売上げは、前年同月比8.4%増となり、45ヵ月連続の増加を記録した。
8月は、お盆期間を含む夏休みの最中にあり、帰省客やインバウンド客の増加も続いたことから、客数は前年同月比3.9%増、客単価は4.4%増となった。
客足が増える夏休みシーズン真っ盛りという季節要因も大きく、業態別では前年比を下回った業態は、6月の30業態から7月は13業態、8月は6業態まで減少することとなった。
●25年度上期の主なM&A案件
外食企業のM&A件数は、コロナ禍中の2021年に実施された13件を底として回復基調にあるが、2025年は9月時点で既に大小合わせて27件となっており、年間最多だった2024年の32件を上回る状況で推移している。加えて、今年の外食M&A案件の特徴として、ラーメン業態の買収が増えていることにある。下記の主要外食M&A案件のリストを見ても、串カツ田中HDのイタリアン業態以外の6件すべてがラーメン業態のM&Aとなっている。
ラーメン業態のM&Aが増加している要因として、個人店と小規模チェーンが圧倒的に多く、市場の寡占化が進んでいないことや、他業態と比べると店舗オペレーションが比較的シンプルなことから、外国人材含め人材を確保しやすいこともラーメン業態買収の要素の一つとなっている。マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、サイゼリヤ、スタバのような、業界の看板的な知名度を有するチェーンが存在しないことも大きい。
また、従来の大手ラーメンチェーンによる同業者買収に加え、他業態を展開するチェーンによる買収や、外食事業への参入を狙った異業種企業による買収も始まっており、今後もラーメン店の買収話題が外食業界をにぎわすだろう。
〈4月〉
▽力の源HD=首都圏で味噌ラーメン店を展開する「ライズ」(東京都大田区)を子会社化
▽クリエイト・レストランツHD=つけ麺の人気店である「狼煙」(東京都品川区)を子会社化
▽JBイレブン=ラーメン、つけ麺店を国内外で展開する「フジヤマ55」(名古屋市)を子会社化
〈5月〉
▽あみやき亭=「京都ラーメンたかはし」、焼肉店を展開する「クーデションカンパニー」(京都市)を子会社化
〈6月〉
▽魁力屋=「肉そば けいすけ」など人気ラーメン店を展開する「グランキュイジーヌ」(東京都中央区)を子会社化
〈9月〉
▽串カツ田中HD=イタリアン業態を展開する「ピソラ」(滋賀県草津市)を子会社化
▽ガーデン=グッドクリエイトから、都内の人気味噌ラーメン「萬馬軒」4店舗を取得











