ご当地カレー「札幌スープカレー」 自由なレシピ、個性を競い合う
ラーメンやジンギスカンほど全国的な知名度はないが、町の隠れた名物とされる「札幌スープカレー」。幾種類ものスパイスを使ってさらさらのスープ状に仕上げ、肉や野菜といった具材を煮崩れさせないよう別調理するのが大きな特徴だ。現在、スープカレーをメニューに載せている店は札幌市内に五〇店以上あるといわれ、ここ数年は月に四~五店ほどの専門店が相次いでオープン。「スープカレー激戦区」と呼ばれる北海道大学周辺には二〇店近い専門店があり、それぞれに個性を競い合っている。スパイスの合わせ方によって微妙に味の傾向が変わる札幌スープカレー。どの店が自分の舌に合うか、食べ歩きを楽しむ人が増えている。
札幌スープカレーは文字通り、ルーではなくスープで食べるカレーライス。見た目の水っぽさからは想像もできないような深いコクと芳醇な香りが魅力で、その主役となるのが、コリアンダーやクミン、グローブ、フェネグリークといったスパイス類だ。まさに「さじ加減ひとつ」で微妙に風味や辛さが変化するこのメニュー、作り手は個々に考え抜いたスパイスの調合で店独自の味を提供。スープベースとなるブイヨンも、鶏がら、牛骨、豚骨、野菜、煮干し、昆布、鰹節など、店舗によってさまざまな工夫が凝らされる。レシピの自由さが料理人の腕の見せどころであり、その工夫と努力が、食べ歩きを楽しむ人々を増やす原動力につながっている。
カレーの具は、肉や魚介類、豆類、野菜と幅広い。が、主にチキンが定番メニューとされ、これが一番人気という店が多い。具は煮崩れしないよう別調理し、オーダーが入ってからカレースープと合わせる店が大多数を占める。これは素材本来の味を大切にするためで、大きな具も札幌スープカレーの特徴。食材へのこだわりも強く、特にカレー作りには欠かせないとされる玉ネギは「道産の品が一番」とする店主が多い。ほどよい甘さと深いコクがあり、水分が少なく身が締まっているのでカレースープのベース作りには最適という。
カレースープとライスは別々の器に盛り付けて提供。客はスプーンでライスをすくい、それをスープに浸して食べるのが一般的だが、食べ方はあくまでも自由。具の大きさを考慮し、スプーンと一緒にフォークとナイフを添える店も多い。
現在、スープカレーをメニューに載せている店は札幌市内に五〇店以上あるといわれる。専門店に関してはここ数年で飛躍的に数が増えた。そのほとんどがオーナーが料理人を兼任する小さな店で、宣伝は広告ではなく口コミが中心。評判が評判を呼び、昼時には行列のできる人気店も多い。まさに「味勝負」といった料理本来の姿が、札幌スープカレー業界をもり立ててきたといえる。
◆札幌スープカレー 必須食材
芳醇なカレースープに加え、素材本来のうまみを味わえる「大きな具」も、このメニューの隠れた主役。肉や魚介、野菜などはそれぞれに煮たり揚げたり炒めたりと、料理人のアイデアによって別調理され、オーダーが入ってからカレースープと合わせる。各食材へのこだわりも強く、特にニンジンやジャガ芋、玉ネギといった野菜類は、「コクがあって甘みの深い北海道産の品が一番」とする店が多い。なかには、「身の締まった玉ネギ、ほっこりとしたジャガ芋など、道産の野菜がないとうちのカレーは作れない」と言い切る店主もいる。














