メニュートレンド:“朝から参鶏湯”目指し行列 イメージ覆す個食で大人気

2026.06.01 568号 02面
「アサゲタン」 1,980円(税込み) 参鶏湯と彩り豊かなおかずが登場。おかずは、刺身用の赤エビを醤(ジャン)に漬け込んだカンジャンセウを中心に、キムチやナムルなどのほか、明太子やイカの塩辛など和風の味も組み合わせた計8品。ご飯と卵、カンジャンセウ以外のおかずはお代わり自由

「アサゲタン」 1,980円(税込み) 参鶏湯と彩り豊かなおかずが登場。おかずは、刺身用の赤エビを醤(ジャン)に漬け込んだカンジャンセウを中心に、キムチやナムルなどのほか、明太子やイカの塩辛など和風の味も組み合わせた計8品。ご飯と卵、カンジャンセウ以外のおかずはお代わり自由

参鶏湯は目の前で炊き上げて仕上げる

参鶏湯は目の前で炊き上げて仕上げる

「粒立ちよくふっくら炊ける」と、朝食のご飯用に取り入れた韓国製鉄釜。1回にコメ12合をガスで炊き、IHで保温する

「粒立ちよくふっくら炊ける」と、朝食のご飯用に取り入れた韓国製鉄釜。1回にコメ12合をガスで炊き、IHで保温する

コンロを囲むようにカウンターを設置した店内

コンロを囲むようにカウンターを設置した店内

【愛用食材・機器】「ホーロータンク27cm」野田琺瑯(東京都江東区)

【愛用食材・機器】「ホーロータンク27cm」野田琺瑯(東京都江東区)

「参鶏湯(サムゲタン)は、複数人で取り分けながら食べるもの」というイメージを覆す一人で参鶏湯を楽しめる店が、大阪の「蔘鶏湯 人ル」。オープン以来ランチの店として営業してきたが、2026年3月から朝食の「アサゲタン」をスタート。たちまち話題になり、開店1時間以上前から行列ができる大人気の朝ご飯となっている。参鶏湯をより身近にした同店の取り組みを紹介する。

●満足感高く男性客増加

2021年開業の同店を運営するのは、1978年創業の韓国料理専門店「韓味一」がルーツのSOME GET TOWN社。山崎一社長が母の朴三淳(パク サムスン)さんの味を受け継ぎ、韓国料理をコースやアラカルトで楽しめる7店舗を展開している。

「通常の参鶏湯は、丸鶏を複数人で囲んで食べるもの。しかし、コロナ禍で会食が難しくなり『一人でも参鶏湯を食べたい』という声を多く聞きました。そこで、一人用参鶏湯の新業態を始めることにしました」と、向井豊裕店長。

開業当初は営業時間短縮要請もあり、ランチの店として営業。メニューは、参鶏湯とパンチャンを楽しめる「蔘鶏湯御膳」2700円(税込み)を用意し、完全予約の1時間制で客が入れ替わるスタイルでスタートした。すぐに人気を呼び、連日、予約でほぼ満席の状態という。

「アサゲタン」は、客からの「なかなか予約が取れない」という声を受けて、ならば、先着順で朝食を提供しようと考案。「旅館の朝ご飯に参鶏湯が出てきたら」というイメージで、参鶏湯と旅館の品数が多い食事を彷彿とさせる計8種類のおかずをセットする。

同店の参鶏湯は、丸鶏の腹にもち米を入れて仕込み、一人用に分けて小鍋で再度炊いて提供。朝食の鶏はランチよりも小ぶりで中のもち米の量も少ないため、鉄釜で炊いたご飯を用意するのも朝食の特徴だ。ご飯と卵、おかず(カンジャンセウを除く)もお代わり自由で満足感がある。

「ランチは女性客が9割だが、朝食はお代わり自由がウケたのか男性客が3割。客層が広がりうれしいです」と向井店長。同様の個食スタイルの店を国内外でさらに増やしたい、と語る。同社では25年に米国・ボストンに出店し、海外進出も果たしている。今後の参鶏湯の広がりに注目したい。

●店舗情報

「蔘鶏湯 人ル(ニル)」

経営=SOME GET TOWN/店舗所在地=大阪市生野区桃谷4-1-11/開業=2021年7月/坪数・席数=10坪・9席/営業時間=朝食8時30分~11時、ランチ11時~15時45分。不定休/平均客単価=朝食2000円、ランチ3200円/1日平均集客数=70人

●愛用食材・機器

「ホーロータンク27cm」 野田琺瑯(東京都江東区)

参鶏湯の仕込みに活用

参鶏湯の仕込みで鍋に使用するのが、日本製の同品。48年前の創業以来グループ全店で愛用する製品だ。調理では、丸鶏と水、高麗人参、ナツメ、ニンニクを入れて半日炊き、余熱で火を入れてから冷蔵庫で一晩寝かせて仕上げる。「アルミやステンレスの鍋でも試したが、これで炊くと味が違う」と向井店長。道具も受け継ぎ、味を守っている。

規格=W321×D296×H332mm 15L

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