ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(38)斬新なチョコレートで人気

2010.03.01 369号 10面
さまざまなフレーバーのトリュフのアソートメント、「ミルクチョコレート・トリュフ・コレクション」

さまざまなフレーバーのトリュフのアソートメント、「ミルクチョコレート・トリュフ・コレクション」

一見おしゃれな宝石店のように見えるチョコレート・ブティック。中にはシャンデリアが輝き、紫で統一されている

一見おしゃれな宝石店のように見えるチョコレート・ブティック。中にはシャンデリアが輝き、紫で統一されている

 ベーコンやカレー、ワサビなどのスパイスをブレンドしたユニークなチョコレートの専門店が出現、話題になっている。シカゴ発のこのチョコレート専門店は、各メディアに取り上げられ、珍しさも手伝って、連日大繁盛だ。ハイエンドの食料品店でも販売されている。店頭にはちょっとしたイートイン・スペースがあり、チョコレート体験ができる。(外海君子)

 有名ブランド店の立ち並ぶソーホー中心にある「ヴォージュ・オー・ショコラ」は、チョコレート・ドリンクやスイーツ類を楽しめる小さなカフェスペースもあり、ショッピングに疲れたお客がふらりと訪れて休める場所にもなっている。

 この店のオーナーは、カトリーナ・マーコフさん。大学卒業後、パリに渡って、ル・コルドン・ブルーで学び、スペイン、ベトナム、韓国、日本、タイ、中国、オーストラリアなどを旅して、アメリカに帰国。スパイス、ハーブ、花、フルーツ、ナッツなどをブレンドした、ぜいたくでエキゾチックなチョコレートを制作し始めた。

 マーコフさんは、30代前半の若さで、経済誌の「インク」により、マーサ・スチュアート、ヴァージン航空のリチャード・ブロンソン、デルコンピューターのマイケル・デルなどと並んで、実業家トップ20の中にリストアップされている。なにしろ、本来のコンセプトをすっかり覆して、今までになかった斬新なチョコレートを作り出したのだ。

 たとえば、「ブラック・パール」は、黒ごま、ジンジャー、ワサビをブレンドしたダークチョコレートだ。「レッド・ファイヤー」には、チリとシナモンが、「ナガ」には、カレー、ココナツがブレンドされ、中には、スモークしたベーコン、セロリジュース、塩、白コショウ、ジューニパーシードをブレンドしたチョコレートもある。

 コンセプトは「チョコレートを通した世界旅行」。スパイス、ハーブ、ナッツ、エディブルフラワー、フルーツをじっくり味わって、それぞれの土地の文化を再認識するということ。店内は、おしゃれな紫色で統一。次から次へと主に若い女性客が訪れる。

 シカゴのほか、ニューヨークのソーホーとアッパーイースト、ラスベガスにも、チョコレート・ブティックを展開している。

 ●事業データ

 ヴォージュ・オー・ショコラ(Vosges Haut-Chocolat)/所在地=132 Spring Street between Greene&Wooster New York, NY 10012/営業時間=午前11時~午後8時/イートインスペース席数=8~10人

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