日本マクドナルド、宅配サービスを開始 都内10店舗で試験展開

2011.02.07 383号 05面
「クイック調理を武器に短時間で宅配されると脅威」(有力宅配チェーン)と、周囲の声は一致

「クイック調理を武器に短時間で宅配されると脅威」(有力宅配チェーン)と、周囲の声は一致

先発海外マックと同じウォーマーバッグ。外側にドリンクを装着して1度に6セット宅配できる

先発海外マックと同じウォーマーバッグ。外側にドリンクを装着して1度に6セット宅配できる

 日本マクドナルドはこのほど、東京都世田谷区の「マクドナルド用賀インター店」で宅配サービスの試験展開に乗り出した。3輪バイク(ジャイロキャノピー)5台を導入し、近隣約3万世帯を対象に、1500円以上の注文から宅配する。4月までに都内10店舗に拡張し事業モデルを模索。半年後に検証し多店舗化を判断する。

 宅配サービスは、先に打ち出した24時間営業に次ぐ新成長戦略の試金石。利便性の追求により、外出機会の少ない客層、長時間労働の内勤者、ホームパーティーなど、同社の未開拓層を切り開くもの。

 用賀インター店を皮切りに4月までに、世田谷区内5店舗と、江東、江戸川、葛飾区内5店舗の、計最大10店舗に拡張し、ソフトツイストを除く全商品を対象に宅配する。営業時間は当初、午前11~午後10時とし、随時24時間営業にシフトする。オペレーションの合理化策として、電話受注をコールセンターで一括する「ワンコールオーダー」を採用する。また、宅配受注の条件として、各店別に(1)受注価格に下限(2)別途一律の宅配料金(3)宅配専用の新価格を設定し、最適な価格モデルを探る。

 1度に宅配できるのは約12人前。セット商品6品(ドリンク込み)を収納する保温バッグを採用し、バイクの宅配トランクに2つ積載する。ただし、「おいしさを担保する」という同社の方針からビストン宅配(ワンオーダー・ワンデリバリー)を厳守し、適正な配送距離と配送時間を検証していく。

 宅配サービスに着目したのは2年前。宅配に先駆けた海外マクドナルドの好調な業績を受け、構想を固めてきた。海外での展開実績は中東、アジア、南米など約20ヵ国。なかでも宅配の人気が突出するヨルダンでは、宅配が売上構成比の約3割を占めるという。

 マクドナルドは現在、国内に約3300店舗。そのうち約半数が24時間営業、約3分の1がドライブスルーを有する。宅配バイクの敷地内保有と、24時間営業の両立を踏まえると、宅配の多店舗化は約550店舗が推測される。

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