近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:かれー屋伊東「野菜玉子カレー」
富山市に「野菜玉子カレー」、通称“やさたま”という名物カレーがある。カレーライスの上に玉ネギ入りの薄焼き卵をのせ、特製ソースとマヨネーズをかけたもので、市内の男性客から絶大な支持を得ている。
発祥は1979年。「かれー屋伊東」の前身、「インデアンカレー」の伊東慎二店主(61歳)が、スパゲティの具材にしていた薄焼き卵をカレーにのせて出したのが始まり。後、料理サンプル(ろう細工)の展示をきっかけに大ヒット。“やさたま”で名を馳せる看板料理となり、市内他店も追随。また、豚カツやコロッケなど、好みのフライをトッピングするのが主流となり、いまや“富山カレー”と呼ばれるまで発展している。
◆営業の概況:来店客の8割が注文 会社員のため日曜日定休
富山市街から少し離れた住宅街に立地する63席のカレー専門店。来店客の約8割が“やさたま”を注文する。トッピングするフライの売れ筋は豚カツとクリームコロッケで二分。来店客は市内の男性会社員が大半。週1回のヘビーユーザーが多い。最近はインターネットで知った観光客も増えている。
「日曜日に営業すれば300人以上は集客できると思います。でも、会社員が集う地元食堂の役割として、平日は休みたくないので、日曜日を定休日にしています」(伊東店主)と言う。
◆特徴と調理:玉ネギとマッシュルーム 特製ソースとマヨネーズ
玉ネギ、マッシュルームを炒め、溶き卵を加えて薄焼き卵とし、カレーライスにのせる。特製ソースは、豚カツソース、ウスターソース、ケチャップ、醤油を5対3対1対1でブレンドしたもの。これを薄焼き卵に約30ccかけ、マヨネーズをあしらう。
「表向きは簡単にまねできますが、特製ソースのブレンド方法にコツがあります」(伊東店主)と説き、「薄焼き卵の具材、ソースの配合など、独自性を打ち出せる料理なので、地域で競い合えるご当地料理に発展すればうれしいですね」と笑う。
◆発祥と展開:スパゲティ具材を応用 料理サンプルで大ヒット
伊東店主は1977年、北陸のカレーチェーン「インデアンカレー」に加盟し、富山市街に15坪25席の店を立ち上げたが、1日集客100人程度の細々経営だった。
1979年、同チェーンで定番だった「野菜玉子スパゲッティ」のトッピング具材、薄焼き卵に着目。カレーライスにのせて「野菜玉子カレー」として打ち出した。
すると早々に日販約10食の売れ筋に台頭。夫人から「料理サンプル(ろう細工)を展示すればもっと売れる」との助言を受け、実行したところ、これが大当たり。“やさたま”という愛称が生まれ、お客の過半数が注文する名物に定着した。
1991年、やさたま人気で店舗が手狭となり、35坪・47席に増築。1998年、チェーンから独立し「かれー屋伊東」に屋号変更。2005年、190坪(駐車場含む)・63席の現店舗に移転。伊東店主は2代目の長男とともにカウンターに立ち続けている。
●店舗情報
「かれー屋伊東」 所在地=富山市大泉1-2-9/敷地・席数=190坪(駐車場含む)・63席/営業時間=午前11時~午後9時、日曜定休
●野菜玉子カレーの調理法
(1)玉ネギ、マッシュルームを炒める
(2)溶き卵を加えて半熟状の薄焼き卵に
(3)カレーライスに薄焼き卵をのせる
(4)マヨネーズと特製ソースをかける
●エバラで再現!模擬レシピ
「マドラスカレー湿潤」と「厨房応援団 デミグラスソース」でやってみよう!
■作り方
記事中の「特徴と調理」を参照に、「マドラスカレー湿潤」をカレールーとし、特製ソースの代わりに「厨房応援団 デミグラスソース」をかける。
■使用食材
○「マドラスカレー湿潤」
リッチな味わい、豊かな香り使いやすいフレークタイプ
小麦粉と油脂(ラード)を直火釜で丹念に焼き上げ、野菜・果実と20種類以上のスパイスをブレンドした、使いやすいフレークタイプのカレールー。あと引く味わいと豊かな香りが自慢。
規格=1kg
○「厨房応援団 デミグラスソース」
汎用性抜群の便利逸品
ミルポアと赤ワインの風味を活かした味わい深いデミグラスソース。オムライス、ポークソテーなどのメニューにも幅広く活用できる。使用量は料理重量の20~30%が目安。
規格=1リットル