特集・多様化する宅配 寿司=「花水木」緻密な情報戦略展開

1994.12.05 65号 15面

(株)経営データサポートが展開するデリバリーすし店「花水木」は、コンピュータソフトによる徹底した顧客管理を講じて、半径一キロメートルに絞った小規模な商圏でも堅実に売上げを伸ばしている。

その原動力となるのは、同社が開発した顧客管理システムだ。ソフト会社ならではの緻密なデータ管理によって、迅速な電話対応を可能とし、的確な販促戦略をはじき出している。

特に、商圏のミクロ的なドミナント展開を得意としている。まず町ごとに売上げ、シェア率を分析して、売上げとシェア率が最大の地区を基準売上げに設定する。基準に満たないウイーク地区に限り、ポスティングやDMを実施。有効的な販促と経費削減を行うと同時に、すき間のない商圏の設定、拡大ができるのだ。

また顧客動向については、一二ヵ月にわたって次回来店の有無を追跡。再来店率、未来店率、売上実績を分析することで、応対、商品、配達時間などに関する問題点を素早く発見、リピーター離れを未然に防止している。

すしの調理についてはアルバイトと機械を主力としたコックレス方式。機械によるシャリの握りは職人レベルに匹敵し、ネタの仕入れは本部が受け持つため、品質管理さえ守られれば、未経験者でもすぐに始められるという。

現在は直営で三店舗展開されているが、いずこも商圏一キロメートル・月商八〇〇万円をモデルとした高効率な収益を見込んでいる。すしは老若男女を問わない人気メニューのうえ、出前という古来からの習慣もあり、パーティー需要を想定できるため、今後は出店を加速させる考えだ。

同店で培ったデリバリーシステムのノウハウを駆使して、一般飲食店向けのソフトを開発。ソフト会社としてデリバリーシステムの普及に努める意向だ。

◆所在地=埼玉県浦和市、Tel048・862・5638(他二店)

◆営業時間=午前11時~午後2時、午後4時30分~9時(無休)

◆店舗面積=一八坪

◆テナント料=一五万円

◆立地条件=住宅地

◆月商=八〇〇万円(モデル)

◆客単価(デリバリー)=五〇〇〇円

◆デリバリー件数/日=三五~一〇〇件

◆デリバリー最低額=六〇〇円

◆従業員=社員二人、アルバイト四~八人(二〇人登録)

◆車両台数=バイク六台

◆デリバリー範囲=三〇~四〇分、一~一・五キロメートル(今後は二キロメートル)

◆オーナー純利益=一〇%

◆ターゲット=一般世帯

◆人気メニュー=「きり」(六〇〇〇円)四人前セット。「特選」(一五〇〇円)一人前

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