米を使った外食・中食の売れ筋メニュー 外食総研調査

1993.07.05 31号 9面

外食産業総合調査研究センター(外食総研)は、全国農業協同組合中央会の委託で「米を使用した外食・中食の売れ筋メニューなどに関する調査」を実施、その報告書をまとめた。調査は昨年7月から今年の3月にかけ外食企業、事業所給食、惣菜事業者など五〇〇〇店にアンケート調査を実施、五九二店から回答を得ている。今回の調査によって明らかにされた重要な事項の要点は次の通り。

●米を使用したメニューの

地位と今後の見込み●

①今回の調査対象によれば、すべての飲食店で「米」を仕入れている。すべての飲食店では何らかのかたちで米を使用した料理を提供している。

②西洋料理店の六四・五%、そばうどん店の七〇・三%と低い業種があるにもかかわらず、ご飯または丼物などが主食提供数に占める割合は、平均八五・七%(パン二・八%、麺類一一・五%)と高い。

③チェーン店(大手企業)のメニューに占める米使用メニューの割合も高い、洋食系グループの米使用メニューが三三・九%(米非使用メニュー六六・一%)、和風系グループは六一・一%(米非使用メニュー三八・九%)、でトータルで米使用メニュー四一・六%(非使用メニュー五八・四%)。

④米の年間仕入額は大きく、また食材仕入額等に占める割合も高い。回答店舗平均は米の年間仕入額が一店舗当り八八七万六〇〇〇円、対食材割合一四・三%、対売上割合が五・〇%。

⑤米使用メニューの価格は比較的高いものが多く、客単価が高くなる。例えば、米使用メニュー価格分布の山は、一二〇〇~一四〇〇円にあるが、米を使用しないメニューは三〇〇~四〇〇円と七〇〇~八〇〇円にある。

和定食の価格分布の山は一四〇〇~一六〇〇円にあるが洋定食は七~八〇〇円にある。

⑥ここ一~二年に、米使用メニューを減らした店舗(三・九%)より増やした店舗(二一・五%)がはるかに多い。増やした理由は(ア)注文が増える見込み。(イ)料理の種類が多い。(ウ)利益率が高い。増やした品目は(ア)丼物、和定食、そば定食、混ぜご飯、弁当類。(イ)和風料理一二五、洋風料理四三、中華風料理一三。

⑦今後も米使用メニューを増やす見込みの店舗(二三・五%)が減らす見込みの店舗(一・八%)より多い。

●提供店舗率と売れ筋メニュー●

①和風系・洋風系飲食店の品揃えは、和風系チェーンでは品揃えの「幅」が狭く、「深さ」が深い場合が多い。また、洋風系チェーン店では品揃えの「幅」は広く、和定食、丼物が入りやすい。

②一般に、提供店舗率が高いメニューほど売れ筋メニュー率も高くなる傾向がある。売れ筋メニューは普及率の高いメニューに多い。したがって、売れ筋メニューは競争が激しく、品質の改善、新規開発の必要性が強い。しかし提供店舗率が低く売れ筋メニューがある。これは希少性と高い食材を使用したメニュー。

③メニューが売れ筋メニューとなる理由は次の通りであるが、業種によってその理由は異なっている、(ア)価格が比較的安くて値打品(六二・五%)(イ)お客が食べ慣れている(四六・六%)、(ウ)独特の食材、味、調理法(三四・九%)、(エ)家庭で作ると手間がかかる(二九・六%)(オ)家庭で作れない料理(二二・三%)(カ)分量が少ない(二・八%)。

業種別の理由は日本料理店、西洋料理店、中華料理店、すし店は前記(ウ)(エ)が多い。そば店、百貨店、事業所給食、弁当店、スーパー、CVSは前記(ア)(イ)(エ)が多い。スーパー、CVSなどでは(カ)が多くなっている。

④業種別の売れ筋メニューは米を使用するメニューについて、提供店舗率が高く(一〇%以上)、かつ食料で一~五位に入ったメニューの総提供メニュー数に対する割合も高い(二〇%以上)。業種別の売れ筋メニューを提供店舗率順に挙げると別表の通りである。

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