お店招待席 ステーキの「くいしんぼ」(東京・四谷) 調理時間3分内のサービス
「一〇〇〇円ステーキ」を看板にFC展開している「ステーキのくいしんぼ」(㈱サン・チャレンジ‐本社東京・新宿区四谷)の直営店。新宿通りと外苑東通りがクロスする交差点近くで、七階建ビルの地下一階。昭和55年9月オープン。店舗面積二〇坪、客席数三二席。
交差点のすぐ傍という立地条件に加えて、地下鉄丸の内線四谷三丁目駅から一分足らずの場所にあり、人通りにも恵まれている。また、店の近接地および周辺は住宅街になっているので、飲食ニーズも強い。
狭い階段を下りていくと、テーブル席(一〇人)とカウンター席(二二人)のフロアが展開する。お世辞にも広い店とは言えないが、店は営業開始の午前11時ともなれば客が入りだし、午後2時ごろ満席状態が続く。昼は三、四回転で九〇~一二〇人が来店する。
昼はランチメニューのお目当ての客が主体で、この時間帯の全体比八割を占める。ランチメニューはスライスステーキ+プレートステーキ一〇七〇円、オムレツ+ハンバーグ七八〇円、ポークベーコン巻+ハンバーグ八八〇円の三種類で、ライスにサラダ、スープが付く。ライスはお代り自由。客単価は一一〇〇円で、客層はサラリーマンやOLなどが主体。
定着メニューは、オリジナルステーキ(一三〇㌘)一〇〇〇円、ヒレステーキ(一四㌘)一九五〇円、サーロインステーキ(一八〇㌘)二二二〇円、スライスステーキ(一四〇㌘)九四〇円、サイコロステーキ(一二〇㌘)九八〇円、オリジナルハンバーグ(一八〇㌘)七〇〇円などで、全品にサラダとライスが付く(ライスはお代り自由)。
これら定番メニューはグラム数やガロニの組み合わせでバリエーションを拡げており、ステーキであれば一三〇(一〇〇〇円)、二〇〇(一五八〇円)、二八〇㌘(二〇八〇円)の三種、ハンバーグは一八〇(七〇〇円)二八〇(一〇七〇円)、三六〇(一二七〇円)、五六〇㌘(一六八〇円)の四種で、ガロニはコーンをはじめ、タマネギ、ガーリック、ジャガイモ、ニンジン、カイワレダイコン、マッシュルームなどといったもの。
定番メニューといっても、基本的にはステーキは部位(肉質)と三種類のポーションハンバーグは四種類のポーションというバリエーションで、実質的には紋り込んだメニュー構成となっている。
しかし、メニューに対するイメージが単調とならないよう、くいしんぼのストアオペレーションは、こういったメニューづくりの考え方に加えて八種類のソースをラインアップし、味覚の面でも客の多様な好みに対応している。
八種類のソースは「くいしんぼ」「シャリアピン」「テリヤキ」「ガーリック」「和風」「コーリヤン」「極辛」「さっぱり」などで、独自の調整品となっている。
肉材は良質の輸入肉(米国産)を使っている。専門の業者と取引しており、各店舗へはPB商品の形で、しかもポーションカットした形でデリバリーされてくる。このため、材料のクオリティとコストコントロールが安定してできている。材料コストは三六・七%に抑えている。
また、客層でのクッキングは、肉材がすべてメニューごとのポーションで送られてくるので、アルバイトの調理スタッフでも簡単にできる仕組みになっている。調理時間は三分以内、ファーストフード並みのスピード調理を可能にしている。
ステーキとハンバーグのオーダーの割合は、ヒフティ・ヒフティ。夜の客単価は一四〇〇円。客層は昼とほぼ同じであるが、夜は学生が増える傾向にある。客回転は五~六回転。昼夜の中心客層は二〇、三〇代、男女五割づつの割合で、四谷店の場合は若いOLなど女性が、また土日にはファミリー客の利用も多い。平均日商三〇万円以上。坪一日売上げ一万五〇〇〇円をクリアしている。(しま・こうたつ)
●住所/東京都新宿区四谷三‐九 慶和ビル地下一階
●電話/03・3351・7861
●営業時間/午前11時~午後11時(定休日なし)