中国料理店ランチバイキング好調 新世界菜館別館=無駄なく食材を有効利用

1996.10.07 112号 10面

宴会場の有効利用と、新メニュー開発のテストケースとしてランチの「食べ放題」を設けたのが「新世界菜館」別館。「バイキングをやる場合、別の階か建物にしないと、今までの固定客を逃がす」(傳健興オーナー)ための別館利用だ。

平成5年11月からのスタート。ターゲットは近隣オフィス街のOL、ビジネスマン。現在、席数五〇に対し一〇〇人前後の集客で安定している。

厨房三人のスタッフでは「二回転以上は無理」と言うのも、メニューは一〇アイテムを目安にし、一皿無くなると二皿目、三皿目は違ったメニューにするからだ。

「バイキングの鉄則は、お客に飽きさせないこと」。次は何が出るのか楽しみという期待感を持たせるため、メニューは定番化しないのが原則。

厨房では、バイキングにより「ごみを減らすこと」に徹し、系列店での在庫ともにらみ合わせての食材有効利用という習慣づけにもなったという。

主食に合わせたおかずメニューの人気ものは、豆腐・鶏肉・野菜料理だ。このほか点心のシュウマイ、ミニアンマンが大人気。ミニアンマンは、一度下げたら苦情が出たほど。

バイキングによる売上げアップ二・五%。食材原価率は三二%に抑えている。

当初は四〇~四二%の時もあった。慣れないせいもあり、春巻き、シュウマイ、ミニマンなどを外注に出したためだ。結局味の評判も良くなく手作りに切り替え、半分のコスト削減となる。

「人件費と家賃があがれば良い。宴会場の生かし方にはバイキングが最良」との結論づけだ。

◆「新世界菜館」別館=東京都千代田区神田神保町二‐二、Tel03・3264・3639

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