おはしで防ぐ現代病:視野中心部から徐々に失明「加齢黄斑変性(AMD)」
いま米国で、加齢黄斑(はん)変性(AMD=Age‐related Macular Degeneration)が、六五歳以上の人の視覚喪失の主原因として問題視されている。一説には四〇歳以上の一三〇〇万人にAMDの兆候が見られ、うち一二〇万人以上が後期症状にあると推定される。病気は痛みを伴わずゆっくりと進行し、網膜中央にある黄斑と呼ばれる小さな部分を侵す。現在のところ原因も、有効な治療法も分かっておらず、進行を遅らせる研究が急がれている。予防に有効とされる成分「ルテイン」の研究者・米ケミンフーズ社ゾライダ・デフレイタス研究開発部長に話を聞いた。
(資料提供=ケミン・ジャパン(株)電話03・5157・2051)
●AMDとはどのような病気か?
AMDは黄斑の細胞が破壊された時に発生する。黄斑部の細胞が衰えると、真正面の物の輪郭・大きさ・色が変わったように見えたり、動いたり、消えたように思えることも。視野はかすみ、線はゆがみ、暗黒の点が中心視野に現れ、さらには円形の失明部分を生じ、周辺視野でなんとか生活を続けることになる。
挫折感の強い病気で、読み書き、運転・人の識別を困難にさせ、日常生活に多大な影響を及ぼす。また、日光の下やまぶしさの中で物を見ることに支障をきたし、暗い所から明るい所へ眼を順応させるのが困難になる。
進行は遅く、視覚を著しく喪失するまで一〇年はかかる。黄斑細胞の破壊が始まるのは六〇~七〇歳からとはいえ、この黄斑は物の細部を鮮明に見るのに欠かせないもの。認識と予防は早い年齢で始めるべきだ。
●AMDになる危険因子とは?
加齢・日光・食事と栄養・喫煙・遺伝・性別と人種・心疾患が挙げられる。
黄斑の細胞は、活性酸素による損傷を非常に受けやすい。食事による抗酸化物質の摂取量が低い人、過量のアルコール、高レベルの飽和脂肪酸を有する人もAMDの発生リスクが高い。また一日一箱以上の煙草を吸う人のAMDリスクは、吸わない人の約二倍以上で、禁煙後も一五年間は高いリスクが継続する。高血圧あるいは別の心疾患があると、眼への血液循環が乏しくなるため、AMDリスクが高まる。七五歳以上の女性は、同年代男性より発生リスクが倍加。閉経後女性のエストロゲン量の低下も関係するようだ。
また黄斑にある細胞は日光に対して非常に敏感だ。瞳の色が薄い人が青色光線を長時間浴びると、日光からの損傷をより一層受けやすくなる。
●AMD予防に役立つ栄養素とは?
AMDの予防には、カロテノイドという黄色の色素が有効だ。有害な青色光が網膜後方の敏感な組織に到達し損傷を及ぼすのを阻害する手助けをして、眼をAMDから防護すると考えられている。カロテノイドの中でもルテインとゼアキサンチンの二つが、細胞の損傷や健康問題の発生を防ぐ手助けをするために体内で抗酸化剤として作用するという。
ルテインとゼアキサンチンは多くの果物と野菜に存在するが、ホウレンソウやケールのような葉状の濃緑色野菜に最も高濃度に見られる。また卵黄には、ルテインなどを体内で容易に吸収させる物質があるという。
現在はマリーゴールドから抽出した天然ルテインを含有した食品やサプリメントなども発売されている。
◆カロテノイドを豊富に含有する食品
野菜(100グラム中)ルテイン/ゼアキサンチン含量(μグラム)
ニンジン(生) 260
ケール 21,900
芽キャベツ 1,300
ホウレンソウ(生) 10,200
トウモロコシ 780
ブロッコリー 1,900
グリーンピース 1,700
サヤインゲン 740
トマト 100
リーフレタス 1,800
コラードの葉 16,300
卵黄(大玉1個) 170
◆アムスラーグリッドで、視力テスト
格子(アムスラーグリッド)を通常、読書する時の距離に置く(必要ならメガネを使用)。まず左目を覆い中央の黒い点を見つめる。
・すべての線がまっすぐ均等に見えるか?
・波打ったりゆがんだり見えるところがないか?
・見えないマス目はないか?
右目についても同様に行う。何か異常があれば直ちに眼科医の診断を受けよう。
※ルテインとAMDについての詳しい情報は、
http://www.luteininfo.jpへ。
◆アムスラーグリッドテスト結果
加齢黄斑変性の人には暗い、またはぼけた部分が見える~「まるで視野に小さな穴があいているようです。まっすぐ見つめることがうまくできません。でも、その縁のまわりには小さな穴があいていて、とても鮮明に見ることができるのです」…加齢黄斑変性による重度の視覚損失者の弁。














